数学C / 平面上の曲線

共焦点の楕円と双曲線の直交

最難関編焦点接線の直交

問題

楕円 と双曲線 を考える。

(1) 2つの曲線の焦点が一致することを示せ。

(2) 2つの曲線は4つの交点をもつ。各交点において、楕円の接線と双曲線の接線が直交することを示せ。

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焦点の計算は符号の規約(引くか足すか)に注意。交点は2式の連立で具体的に出る — 接線は公式で書けるから、傾きの積を交点の座標の関係式で評価すればよい。

解答・解説

方針

(1)は c²=a²−b²(楕円)と c²=a²+b²(双曲線)の計算。(2)は連立して交点 (±2, ±√2) を求め、接線の公式(x₀x/8+y₀y/4=1 と x₀x/2−y₀y/2=1)から傾きを出して積が −1 になることを確かめる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)は焦点の公式の確認だ。楕円は 、双曲線は 引く側と足す側で同じ になり、焦点 が一致する。

(2)は正面から: 2式を連立して交点 を求め、接線の公式()から傾きを出して、積が を確かめる。

対称性から、4つの交点のうち1つで確かめれば、残りは符号の反転で同じ計算になる。

公式接線: 楕円 、双曲線 。焦点: 楕円 、双曲線

① 焦点の一致((1))。 楕円: → 焦点 。双曲線: → 焦点 。一致する。

② 交点を求める。 双曲線の式から 。楕円の式(×8)から 。差をとって :

③ 接線の傾きの積((2))。 交点 ()で、接線の公式から傾きは

( を代入。)よって4つの交点すべてで2接線は直交する。

xyO(2, √2)
同じ焦点(±2, 0)をもつ楕円(青)と双曲線(黒)。4つの交点(赤)で2曲線は直角に交わる

まとめ: 「焦点を共有する楕円と双曲線は直角に出会う」— 焦点半径の反射性質(楕円は等角に反射、双曲線は等角に発散)を思えば、2曲線の接線が入射・反射の2等分線どうしになっている、という光学的な説明もつく。計算では の値が積 をぴったり作る瞬間が見どころだ。

発展 — 一歩先へ。 焦点 を共有する楕円と双曲線を全部描くと、平面が2つの曲線族の直交する網の目(直交曲線族)で覆われる。これは「楕円座標」と呼ばれる座標系で、熱の等温線と熱流の線、電場の等電位線と電気力線のように、「レベルの線と流れの線が直交する」物理の構図がこの網の目そのものになっている。

(1) ともに (2) 交点 で接線の傾きの積が (証明)

別解

反射性質どうしの直交(計算のない一般証明)。 交点の座標も接線の傾きも計算せずに、(2)をすべての共焦点ペアで示せる。

  • 楕円の反射性質: 接線は、2本の焦点半径 のなす角の外角を二等分する(焦点からの光が反対の焦点へ反射する)。
  • 双曲線の反射性質: 接線は、同じ2本の焦点半径のなす角の内角を二等分する。

交点 では、2曲線が同じ2本の線分 を共有している。そして、同じ角の内角二等分線と外角二等分線はつねに直交する(2つの二等分線のなす角は )。

よって、楕円の接線と双曲線の接線は直交する — 焦点が同じでありさえすれば、どの楕円とどの双曲線の組でも成り立つ。本解の傾きの積 は、この一般的な事実の座標による検証だったのだ。

ポイント

  • : 楕円 、双曲線 — ともに焦点
  • 交点は (連立の差)。
  • (直交)。

よくある間違い

  • 双曲線の焦点を で計算してしまう(双曲線は足す: )。
  • 接線の公式の符号(双曲線は とマイナス)を楕円と混同する。
  • 1つの交点で確かめただけで「4交点すべて」と述べる(対称性で移り合うことの一言を添える)。