数学C / 平面上の曲線
アステロイドの接線の切片
問題
アステロイド の の部分の点 における接線が、 軸、 軸と交わる点をそれぞれ とする。線分 の長さは の位置によらず一定であることを示し、その長さを求めよ。
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媒介変数で傾きを出して接線を書き、思い切って整理すると「切片形」に化けないか。切片が読めれば、長さの計算は三平方 — どんな恒等式が締めてくれるか。
解答・解説
方針
接線の傾きは dy/dx=(dy/dt)/(dx/dt)=−tant。接線の方程式を整理すると x/cost + y/sint = 1 という切片形になり、切片は (cost, 0), (0, sint) — AB² = cos²t+sin²t = 1 で一定。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 媒介変数の曲線の接線は、傾き から。計算すると になる。
接線の方程式を点 で立てて整理すると、驚くほど単純な切片形 に化ける。
切片は と 。だから — 長さ1が、恒等式そのものとして現れる。
① 接線の傾き。
② 接線を切片形に整理する。 点 を通り傾き :
両辺に を掛けて整理すると
③ 切片の長さ。 、 だから
— の位置によらず一定である。
まとめ: アステロイドは「長さ1の棒(はしご)が壁と床を滑るときの包絡線」— 接線の切片間の長さが常に1なのは、この曲線の出生証明そのものだ。媒介変数の微分 → 切片形への整理 → 恒等式で締める、と計算の見せ場が3段続く。
発展 — 一歩先へ。 アステロイドの全長は (四分弧が )と、曲線の長さとしては珍しく有理数になる。また「半径 の円を半径 の円の内側で転がした点の軌跡」でもあり(内サイクロイド)、はしごの包絡線と転がり曲線という2つの出自をもつ。円の中で円を転がす歯車の設計(ハイポサイクロイド)の、いちばん美しい特別例だ。
(一定)
別解
「滑るはしご」の正体を見る(包絡線の逆読み)。 長さ1のはしごが、上端を 軸、下端を 軸に置いたまま滑る。下端が 、上端が のときのはしごの直線は
— 本解で導いた接線とまったく同じ式だ。
実際、点 はこの直線上にあり()、直線の傾き は曲線の と一致する — つまりアステロイドの接線の全体=滑るはしごの位置の全体。アステロイドは、はしごの通過範囲の境界(包絡線)そのものだった。
この正体が見えれば、 は「はしごの長さは1」というただの前提になる。切片形(本解)の計算が導いた事実の裏に、動くはしごの1枚の絵が隠れていた。
ポイント
- 傾き (共通因数の約分)。
- 接線は切片形 。
- (滑る棒の包絡線)。
よくある間違い
- の分母分子を逆にする( になったら疑う)。
- 接線を点傾き式のまま整理せず、切片形 の単純さに気づかない(整理の途中で が2回効く)。
- 端 (接線が軸と平行になり三角形が退化)を範囲から除く断りを落とす。