数学C / 平面上の曲線
レムニスケートの囲む面積
問題
極方程式 で表される曲線(レムニスケート)の囲む部分の面積を求めよ。
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の左辺は負になれない — この1点から、 の「立ち入り禁止区間」が決まり、曲線の形(2枚の葉)が見えてくる。面積は極座標の公式に をそのまま流し込めばよい。
解答・解説
方針
まず r² ≥ 0 から θ の動ける範囲(−π/4 ≤ θ ≤ π/4 とその反対側)を確定するのが急所 — 曲線は原点で交差する2枚の葉になる。極座標の面積公式 S=∫(1/2)r²dθ に r²=cos2θ を入れると、右葉の面積が (1/2)∫cos2θdθ で求まり、対称性で2倍する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 極方程式では、まず から の動ける範囲を確定する。 より (右葉)とその反対側(左葉)— 曲線は原点で交差する2枚の葉だ。
面積は極座標の公式 。 をそのまま入れられるのがこの形の御利益で、右葉の面積を計算して対称性で2倍する。
範囲の確定を飛ばすと、葉のない方向まで積分して答えが壊れる — 「定義域から」の一手間が急所だ。
① 定義域(葉の範囲)。 (mod )。 で (原点)、 で (最遠点)— 右葉はこの範囲で閉じる。左葉は対称。
② 右葉の面積。
③ 全体。 左右対称だから
— 曲線は超越的なのに、面積はちょうど という整数に落ちる。
まとめ: 極方程式は「 の定義域」が形を決める — 立ち入り禁止の が葉の切れ目になる。面積公式が を直接受け取るので、 型はむしろ計算が軽い。定義域の吟味を飛ばして から まで積分すると値が合わない(負の を拾う)— そこがこの問題の罠だ。
発展 — 一歩先へ。 レムニスケート(ベルヌーイの連珠形)は「2定点からの距離の積が一定」の軌跡でもある(和なら楕円、差なら双曲線、積ならこの曲線)。面積は本問のとおり初等的に と求まるのに、弧長は初等関数では書けず、その研究(レムニスケート積分)が楕円関数論という大分野を生んだ — 面積と長さで難しさが段違いになる、歴史的な曲線だ。
別解
面積公式を扇形の区分求積で手作りしてから使う。 極座標の面積公式 を、天下りでなく自前で正当化しておこう。
角の範囲を細かく ずつに刻むと、各切れ端は「半径 、中心角 の扇形」でほぼ近似できる。扇形の面積は (円の面積 の 倍)。足し上げて とすれば
区分求積の考え方そのものだ。あとは本解と同じ計算で、右葉 、全体で 。
なお、この曲線は直交座標では と書ける(、 を代入)。直交形では面積計算が絶望的なのに、極座標なら3行 — 「曲線に合った座標を選ぶ」ことの威力の見本だ。
ポイント
- から の範囲(2枚の葉)を確定。
- 。
- 対称で2倍して面積1。
よくある間違い
- の範囲確認を飛ばして から まで積分し、正負が打ち消して面積が壊れる(最頻)。
- 極座標の面積を (弧長の類推)と混同する(正しくは )。
- 2枚の葉の対称性で2倍するとき、右葉の中でさらに上下対称で2倍…と重複して4倍にする。