数学C / 平面上の曲線

双曲線と漸近線への距離の積

最難関編双曲線漸近線

問題

双曲線 上の任意の点 から、2本の漸近線に下ろした垂線の長さをそれぞれ とする。積 の位置によらず一定であることを示し、その値を求めよ。

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2本の漸近線への距離を公式で書いて掛けてみる — 分子に現れる式は、どこかで見た形ではないか。双曲線の方程式を「左辺の因数分解」の目で見直すと。

解答・解説

方針

漸近線は x−2y=0 と x+2y=0。点と直線の距離の公式で d₁d₂ を書くと、分子に |x²−4y²| が現れる — これは双曲線の方程式そのもの(=4)。曲線の式が「距離の積」の形に因数分解されている、という構造が種明かし。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 漸近線は 。点と直線の距離の公式で を書くと、分子に積 が現れる。

ここで双曲線の式 は、左辺が

漸近線の1次式の積に因数分解されている。つまり曲線上ではつねに — 距離の積の分子が、方程式そのものだった。定数になる理由が、式の構造に最初から書き込まれている。

公式 と直線 の距離 。双曲線 の漸近線は

① 距離を書く。 漸近線は から

② 積に方程式を代入する。

は双曲線上にあるから 、すなわち 。よって

— たしかに の位置によらない。

xyOP
双曲線と2本の漸近線(黒)。点 P から漸近線への2つの垂線(赤破線)の長さの積は、P がどこでも 4/5

③ 吟味。 が遠くへ行くと一方の漸近線に近づく()が、そのぶんもう一方から遠ざかり()、積はぴったり釣り合う — 「漸近する」ことと「積一定」が表裏になっている。

まとめ: 双曲線の方程式は「漸近線への距離の積 = 一定」の言い換え — 左辺の因数分解がそのまま図形の性質になる。一般の では積は になる(同じ計算)。

発展 — 一歩先へ。 の見方をさらに進めると、45°回転で 型(反比例)に移る直角双曲線の一般化が見える。「双曲線=2本の漸近線の1次式の積が一定」という読み方は、漸近線が直交しない一般の双曲線でも通用し、 という一般公式も同じ計算で出る。

(一定)

別解

漸近線を新しい座標軸にする( 一定の正体)。 思い切って、漸近線の1次式そのものを新しい変数にとる:

すると双曲線の方程式

— 中学以来の反比例のグラフの形になる。双曲線とは「斜めの座標系で見た 一定」だったのだ。

2本の漸近線への距離は (点と直線の距離の公式の分子が、まさに )。よって

一定であることが、 の一言に還元された。本解の「分子が方程式そのもの」という観察を、座標変換として言い切った形で、 型の双曲線(直角双曲線)との血縁も見える。

ポイント

  • 左辺の因数分解 が種明かし。
  • に方程式 を代入。
  • (遠方で の釣り合い)。

よくある間違い

  • 漸近線を から に直すとき、距離公式の分母 等と誤る。
  • 絶対値の積 の処理で、双曲線の左枝()を別扱いし始める(絶対値のまま方程式を代入すれば枝によらない)。
  • とする( の両辺4倍で 。定数の掛け忘れ)。