数学C / 平面上の曲線
双曲線の焦点距離の差
問題
双曲線 上の点 から、 つの焦点までの距離の差の絶対値を求めよ。
ヒントを見る
双曲線の定義そのものが最短ルート。楕円のときと何が違ったかに注意。
解答・解説
方針
双曲線の定義: 焦点からの距離の差(の絶対値)は一定で 。 なので 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 楕円の「和が一定」に対して、双曲線は「差が一定」— それが定義で、一定値はやはり 。
より 、答えは 。
差に絶対値が付くのは、双曲線に枝が 本あるから — 右の枝では左の焦点の方が遠く、左の枝では逆になる。どちらの枝でも「遠い方 近い方 」である。
① 双曲線の定義。 双曲線上のどの点でも (一定)。
② を読む。 より 。
まとめ:双曲線は「 焦点からの距離の差が一定」(楕円は和が一定)。差の絶対値は に等しい。楕円と双曲線は「和か差か」で対になっている。ここも計算不要で を読むだけだ。
発展 — 一歩先へ。 「差が一定」は測位の原理だ。 つの局から同時に電波を出すと、受信時刻の差から「差が一定の曲線 双曲線」の上にいることが分かる。局のペアを 組使えば双曲線 本の交点で位置が決まる — GPS 以前の航法システム(ロラン)はまさに双曲線測位で、雷の落雷位置の標定にも同じ原理が使われている。
なお定義の式で を 焦点間の距離 より大きくすると、条件を満たす点が消える(三角形の成立条件に反する)。 が双曲線の存在条件 — 楕円()とちょうど裏返しの不等式になっている。
別解
「差が 」を、いちばん見やすい点 — 頂点で実測しておこう。焦点は から 。
右の頂点 に立つと
- 近い焦点 まで:
- 遠い焦点 まで:
一般の点でも確かめられる。たとえば の点( から )で つの距離を計算すると、値は変わっても差はやはり になる。
楕円との対比で覚える —「和が (糸で結ばれた ピン)」対「差が (遠近の差を保って逃げる)」。差が一定の点をたどると、焦点をよける 本の枝が自然に現れる。双曲線のあの独特な形は、「差の一定」という束縛の絵姿である。
ポイント
- 双曲線:距離の差 (一定)。
- 楕円は和、双曲線は差。
よくある間違い
- 差を でなく や とする
- 絶対値を忘れ「差が負になる場合」で混乱する(遠い方 近い方と読む)
- を計算して を差の値と取り違える(差の値に は不要)