数学C / 平面上の曲線

楕円の焦点距離の和

★★ 標準楕円

問題

楕円 上の点 から、 つの焦点 までの距離の和 を求めよ。

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楕円が「どんな点の集まり」として定義される図形だったかを思い出そう。定義がそのまま使えれば、座標計算はいらない。

解答・解説

方針

楕円の定義: 焦点からの距離の和は一定で、長軸の長さ に等しい。 なので

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の位置は指定されていない — つまり「どこにいても同じ値になる」ことが答えの前提だ。それこそが楕円の定義である。

楕円 つの焦点からの距離の和が一定の点の集まり。その一定値は長軸の長さ

より 、よって

計算はほぼない — 「定義を知っているか」を聞いている問題である。

定理楕円の定義: 焦点からの距離の和は一定で (長軸の長さ)に等しい

① 楕円の定義を思い出す。 楕円上のどの点 でも、(一定)。

を読む。 より

xyOPFF′
楕円上の点Pから2焦点までの距離の和 PF+PF′=2a=10(一定)

まとめ:楕円は「 点(焦点)からの距離の和が一定」の曲線。その和は長軸の長さ に等しい。 をどこにとっても変わらない。計算不要で、 を読むだけ。これが楕円の一番の性質だ。

発展 — 一歩先へ。 「和が一定」の応用は反射性質に化ける — 一方の焦点から出た光(音)は、楕円の壁で反射して必ずもう一方の焦点に集まる。ささやきの回廊(楕円形ホールの音響)や結石の破砕治療(衝撃波を焦点に集める)は、この性質の実用である。

逆向きの問題「 を満たす点の軌跡を求めよ」に答えると、距離の式から楕円の方程式を導出する計算(根号を 回消す)になる — 定義 → 方程式の往復が、この単元の論証の背骨だ。

別解

「本当にどこでも なのか」— 特別な点 か所で実測して、定義を体感してみよう。焦点は から

長軸の端 : 焦点までの距離は

短軸の端 : 左右対称なので つの距離は等しく、それぞれ ( 三角形!)。

近い焦点と遠い焦点の配分()は点ごとに変わるのに、合計だけは常に — 糸の長さが変わらないまま、ペン先が動いている絵そのものだ。

答えを出すだけなら定義の 行で足りるが、 点での実測を一度やっておくと「和が一定」という抽象的な定義が具体的な数の風景になる。検算の型としても、楕円の問題全般で使える。

ポイント

  • 楕円:距離の和 (一定)。
  • 点の位置によらない。

よくある間違い

  • 和を でなく や短軸の とする
  • 「点 の座標が与えられていないので解けない」と手が止まる(一定であることが定義)
  • 焦点の計算 を持ち出して遠回りする(和の値に は不要)