数学C / 平面上の曲線

放物線の頂点と軸

★ 基礎放物線

問題

放物線 の頂点と軸を答えよ。

ヒントを見る

式に 乗でしか入っていない。 に取りかえても式が変わらないことは、グラフのどんな対称性を意味するだろう。軸も頂点もそこから見える。

解答・解説

方針

の形は、頂点が原点、軸が 軸(左右に開くので対称軸は横)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 放物線 の、頂点と軸を求める。

頂点とは、放物線の"折り返し点"だ。

この式で、 が最も小さくなるのはどこか。

だから、 は必ず 以上。

になるのは、 のとき。

軸とは、放物線の"対称軸"だ。

この曲線は、 軸に関して対称になっている。

なぜか。 に変えても、 は変わらないからだ。

が曲線上なら、点 も曲線上。

つまり、 軸で折り返しても、曲線は同じ。

の形 → 軸対称 → 軸は 軸」

乗されている文字が、対称性を教えてくれる。

公式放物線 :頂点 原点、軸 軸()

の形()。

xyO頂点
y²=4x。頂点(0,0)、軸は x軸(左右対称)

まとめ: は「頂点が原点、 軸に関して対称」な放物線。 にしても式が変わらないので、 軸が対称軸(= 軸)。左右に開く放物線の軸は横( 軸)だ。

発展 — 一歩先へ。 これで、高校数学のすべての課程が終わる。最後に、 次曲線という主題を、大きく振り返っておこう。

次曲線とは、 次方程式が表す曲線だ。

この つの式が、 から の値によって、すべての 次曲線を表す。

そして、種類は判別式で決まる。

次方程式の判別式と、同じ形をしている。

これは偶然ではない。 どちらも「 次の項の構造」を見ているからだ。

次曲線を統一する、 つの視点。

① 円錐の切り口(アポロニウス、紀元前 年)

つの円錐を、平面で切る。 角度によって、円・楕円・放物線・双曲線が現れる。

② 焦点と準線の距離の比(離心率 )

次方程式の判別式( の符号)

つの、まったく違う視点。

幾何(切り口)、距離(離心率)、代数(判別式)。

それらが、同じ 種類の曲線を指し示す。

この一致こそが、数学の美しさだ。

そして、これらの曲線は、世界を記述している。

  • 放物線: 投げたボールの軌跡、パラボラアンテナ、ヘッドライト
  • 楕円: 惑星の軌道、ささやきの回廊、結石破砕
  • 双曲線: 冷却塔、双曲線航法、反比例の関係
  • : あらゆる回転運動

年前、アポロニウスは、純粋な知的興味から円錐の切り口を研究した。

「役に立つか」など、考えもしなかっただろう。

その 年後、ケプラーが惑星の軌道を調べていたとき、彼はアポロニウスの楕円を必要とした。

ニュートンは、万有引力から 次曲線を導いた。

そして、いま、人類は 次曲線の計算で、探査機を太陽系の外へ送り出している。

「役に立たない」と思われた数学が、数百年後、世界を変える。

これは、数学の歴史で何度も繰り返されてきたことだ。

複素数も、非ユークリッド幾何も、群論も、そうだった。

あなたがこれまで学んできた道具 — 関数、微分、積分、確率、ベクトル、複素数、 次曲線 —

そのすべてが、誰かの好奇心から生まれ、世界を記述する言語になった。

の頂点は原点、軸は 軸。

この、最後の 問。

その先に何があるかは、あなたが決める。

頂点 原点 、軸 軸()

別解

平行移動した放物線でも通用する、一般の見方。

この問題の放物線は、頂点が原点にある「標準形」だった。

では、頂点が原点にない放物線は?

一般形は、こう書ける。

これは、 を、 方向に 方向に だけ平行移動したものだ。

  • 頂点:
  • : (横線)
  • 焦点:
  • 準線:

すべて、 の分だけ、ずれる。

具体例で確かめよう。

  • 頂点:
  • :
  • 焦点:
  • 準線:

もとの放物線()を、右へ 、上へ 動かしただけだ。

形は、まったく同じ。

頂点を求めるコツ。

乗の中身 、カッコの中身 」とおく。

頂点

この方法なら、公式を覚えなくてもよい。

そして、展開された形で与えられたら?

平方完成する。

標準形に戻った ✓ 頂点は

「展開されていたら、平方完成で標準形に戻す」

次関数の頂点を求めるときと、まったく同じ手順だ。

数学Iで習った平方完成が、ここでも使える。

さて、この問題の放物線 を、あらためて眺めてみよう。

  • 頂点:
  • :
  • 焦点:
  • 準線:

そして、頂点は、焦点と準線のちょうど中点にある。

当然だ。 頂点も放物線上の点なので、「焦点までの距離 準線までの距離」を満たす。

焦点から 、準線から — その中間点が、頂点である。

放物線の つの要素(頂点・軸・焦点・準線)は、すべてつながっている。

つ分かれば、他も決まる。

ポイント

  • :頂点原点、軸 軸。
  • で不変 → 軸対称。

よくある間違い

  • 軸を 軸としてしまう。 の形は 軸対称なので、軸は
  • 頂点を焦点()と混同する。頂点は原点 で、焦点とは別の点
  • (縦向き)と読み違え、軸を 軸としてしまう