数学C / 平面上の曲線
極方程式(円)
問題
極方程式 はどのような図形を表すか。
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極座標の の意味(原点からの距離)を、そのまま日本語にしてみよう。「原点からの距離がつねに である点の集まり」は、どんな図形?
解答・解説
方針
は「原点からの距離が で一定」を意味する( は自由)。これは半径 の円。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 極方程式 を、日本語に翻訳しよう。
「 が何であっても、 は常に 」
つまり、「原点からの距離が、常に 」ということだ。
そんな点の集まりは?
原点を中心とする、半径 の円である。
が式に出てこないのが、ポイントだ。
をどう動かしても、 は のまま。
角度を から まで動かせば、点は円周を 周する。
直交座標で書けば
この式は、 と の 文字が必要だった。
極座標なら、 の 文字で終わり。
「円は、極座標のほうが圧倒的に簡潔」
原点まわりの対称性をもつ図形は、極座標と相性がよい。 これが、その典型例だ。
は「原点からの距離がつねに 」( は から まで自由)。これは原点を中心とする半径 の円。
(直交座標では 、すなわち 。)
まとめ:極方程式で は円(原点中心)。 なら原点を通る半直線。極座標では、直交座標より円や回転が簡単に表せることが多い。
発展 — 一歩先へ。 極座標を使うと、 次曲線がたった つの式で統一される。
焦点を原点(極)に置いた、 次曲線の極方程式。
- : 半直弦(焦点を通る、軸に垂直な弦の半分)
- : 離心率
この 本の式が、 の値によって、 つの曲線に化ける。
- : (定数)→ 円
- : 楕円
- : 放物線
- : 双曲線
直交座標では、 つの別々の方程式が必要だった。
極座標なら、 つ。
なぜ、これほど簡潔になるのか。
焦点を原点に置いたからだ。
次曲線の本質は、「焦点からの距離」と「準線からの距離」の比()にあった。
焦点を座標の中心にすれば、その本質が、そのまま式になる。
「問題の構造に、座標を合わせる」
これが、座標系選びの極意だ。
そして、この式は、天体力学の基本方程式である。
ニュートンの万有引力の法則から、惑星の運動方程式を解くと、この式が出てくる。
太陽が原点(焦点)。惑星が、この曲線上を動く。
ケプラーの第 法則(惑星の軌道は楕円で、太陽は つの焦点にある)が、 行で表現されている。
そして、 の値が、天体の運命を決める。
- : 楕円軌道 → 周回する(惑星、周期彗星)
- : 放物線軌道 → ぎりぎり戻らない
- : 双曲線軌道 → 二度と戻らない(恒星間天体)
ボイジャー 号は、 年に打ち上げられ、木星と土星の重力を利用して加速した(スイングバイ)。
その結果、太陽系の脱出速度を超え、双曲線軌道に乗った。
年、人類が作った物体として初めて、太陽系を脱出した。
いまも、秒速 km で、恒星間空間を飛び続けている。
その軌道は、 の双曲線。
という、いちばん簡単な極方程式。
その一般化が、 であり、それが宇宙船の軌道を、惑星の運命を、記述している。
これが、 次曲線という、 年前に生まれた数学の、現在地だ。
原点を中心とする半径 の円
別解
直交座標に翻訳して、確かめる。
極座標と直交座標の関係。
を代入する。
両辺を 乗する。
中心が原点、半径 の円 ✓
本解と同じ答えだ。
「翻訳して確かめる」 — 極方程式を扱うときの、確実な検算法である。
さて、極方程式のバリエーションを見てみよう。
① (定数)
「 が何であっても、角度は 」
原点から の方向に、まっすぐ伸びる直線だ。
( が負も許せば、反対側にも伸びる。)
直交座標では 。
②
これは何だろうか。
: → 点 : → 点 : → 原点
点を打っていくと、円のように見える。
直交座標に直そう。
両辺に を掛ける。
ここで、、 を使う。
平方完成する。
中心 、半径 の円!
原点を通る円だ。
( は、原点を通り、 軸上に中心をもつ円。)
「 を掛けて、 と の形を作る」
これが、極方程式を直交座標に直す常套手段だ。
この つの対応を使えるようにしておけば、たいていの極方程式は翻訳できる。
③
だから、これは — 縦の直線だ。
極座標でも、直線が書ける。
まとめよう。
- 定数 → 円(原点中心)
- 定数 → 直線(原点を通る)
- → 円(原点を通る)
- → 直線( 軸に平行)
同じ「円」でも、原点が中心か、円周上かで、式の形がまるで違う。
極座標では、「原点」が特別な役割を果たしている。
その特別さを活かせる問題でこそ、極座標は威力を発揮するのだ。
ポイント
- は原点中心の円。
- は原点を通る半直線。
よくある間違い
- を「点 」だと思ってしまう。 が自由なので、円全体を表す
- 半径を としてしまう( と混同)。 なので半径は
- 定数(直線)と 定数(円)を取り違える。 が一定なら円