数学C / 平面上の曲線

極方程式(円)

★ 基礎極方程式

問題

極方程式 はどのような図形を表すか。

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極座標の の意味(原点からの距離)を、そのまま日本語にしてみよう。「原点からの距離がつねに である点の集まり」は、どんな図形?

解答・解説

方針

は「原点からの距離が で一定」を意味する( は自由)。これは半径 の円。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 極方程式 を、日本語に翻訳しよう。

が何であっても、 は常に

つまり、「原点からの距離が、常に 」ということだ。

そんな点の集まりは?

原点を中心とする、半径 の円である。

が式に出てこないのが、ポイントだ。

をどう動かしても、 のまま。

角度を から まで動かせば、点は円周を 周する。

直交座標で書けば

この式は、 文字が必要だった。

極座標なら、 文字で終わり。

「円は、極座標のほうが圧倒的に簡潔」

原点まわりの対称性をもつ図形は、極座標と相性がよい。 これが、その典型例だ。

重要極方程式 は、原点中心のその半径の円

は「原点からの距離がつねに 」( から まで自由)。これは原点を中心とする半径 の円

(直交座標では 、すなわち 。)

xyO
極方程式 r=2 は原点中心・半径2の円

まとめ:極方程式で は円(原点中心)。 なら原点を通る半直線。極座標では、直交座標より円や回転が簡単に表せることが多い。

発展 — 一歩先へ。 極座標を使うと、 次曲線がたった つの式で統一される。

焦点を原点(極)に置いた、 次曲線の極方程式。

  • : 半直弦(焦点を通る、軸に垂直な弦の半分)
  • : 離心率

この 本の式が、 の値によって、 つの曲線に化ける。

  • : (定数)→
  • : 楕円
  • : 放物線
  • : 双曲線

直交座標では、 つの別々の方程式が必要だった。

極座標なら、 つ。

なぜ、これほど簡潔になるのか。

焦点を原点に置いたからだ。

次曲線の本質は、「焦点からの距離」と「準線からの距離」の比()にあった。

焦点を座標の中心にすれば、その本質が、そのまま式になる。

「問題の構造に、座標を合わせる」

これが、座標系選びの極意だ。

そして、この式は、天体力学の基本方程式である。

ニュートンの万有引力の法則から、惑星の運動方程式を解くと、この式が出てくる。

太陽が原点(焦点)。惑星が、この曲線上を動く。

ケプラーの第 法則(惑星の軌道は楕円で、太陽は つの焦点にある)が、 行で表現されている。

そして、 の値が、天体の運命を決める。

  • : 楕円軌道 → 周回する(惑星、周期彗星)
  • : 放物線軌道 → ぎりぎり戻らない
  • : 双曲線軌道 → 二度と戻らない(恒星間天体)

ボイジャー 号は、 年に打ち上げられ、木星と土星の重力を利用して加速した(スイングバイ)。

その結果、太陽系の脱出速度を超え、双曲線軌道に乗った。

年、人類が作った物体として初めて、太陽系を脱出した。

いまも、秒速 km で、恒星間空間を飛び続けている。

その軌道は、 の双曲線。

という、いちばん簡単な極方程式。

その一般化が、 であり、それが宇宙船の軌道を、惑星の運命を、記述している。

これが、 次曲線という、 年前に生まれた数学の、現在地だ。

原点を中心とする半径 の円

別解

直交座標に翻訳して、確かめる。

極座標と直交座標の関係。

を代入する。

両辺を 乗する。

中心が原点、半径 の円 ✓

本解と同じ答えだ。

「翻訳して確かめる」 — 極方程式を扱うときの、確実な検算法である。

さて、極方程式のバリエーションを見てみよう。

(定数)

が何であっても、角度は

原点から の方向に、まっすぐ伸びる直線だ。

( が負も許せば、反対側にも伸びる。)

直交座標では

これは何だろうか。

: → 点 : → 点 : → 原点

点を打っていくと、円のように見える。

直交座標に直そう。

両辺に を掛ける。

ここで、 を使う。

平方完成する。

中心 、半径 の円!

原点を通る円だ。

( は、原点を通り、 軸上に中心をもつ円。)

を掛けて、 の形を作る」

これが、極方程式を直交座標に直す常套手段だ。

この つの対応を使えるようにしておけば、たいていの極方程式は翻訳できる。

だから、これは 縦の直線だ。

極座標でも、直線が書ける。

まとめよう。

  • 定数(原点中心)
  • 定数直線(原点を通る)
  • (原点を通る)
  • 直線( 軸に平行)

同じ「円」でも、原点が中心か、円周上かで、式の形がまるで違う。

極座標では、「原点」が特別な役割を果たしている。

その特別さを活かせる問題でこそ、極座標は威力を発揮するのだ。

ポイント

  • は原点中心の円。
  • は原点を通る半直線。

よくある間違い

  • を「点 」だと思ってしまう。 が自由なので、円全体を表す
  • 半径を としてしまう( と混同)。 なので半径は
  • 定数(直線)と 定数(円)を取り違える。 が一定なら円