数学C / 平面上の曲線

極座標から直交座標へ

★ 基礎極座標

問題

極座標が である点を、直交座標で表せ。

ヒントを見る

極座標 から に直す変換の式を思い出そう。原点から斜辺 ・角 の直角三角形をかくと、どちらに がつくか迷わない。

解答・解説

方針

極座標 から直交座標 は、 を代入する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 極座標 とは、原点から距離 、角度 の方向を表す座標だ。

直交座標への変換公式。

この公式は、暗記するものではない。

単位円を思い出せば、当たり前だ。

半径 の円周上で、角 の位置にある点。 その座標は である。

代入しよう。 ()。

検算。 原点からの距離が に戻るか。

「距離と角度」から「縦と横」へ。 それが極座標から直交座標への変換である。

公式極座標 → 直交座標:

xyO(1,√3)r=2
極座標(2, π/3)=直交座標(1, √3)

まとめ:極座標 は「原点からの距離 軸からの角 」。直交座標へは 。三角比の値を正確に。

発展 — 一歩先へ。 極座標が真価を発揮するのは、「原点まわりの対称性」がある図形だ。

美しい曲線を、いくつか見てみよう。

カージオイド(心臓形)。

ハートのような形になる。

この曲線は、マイクの指向性パターンとして使われる。

「正面からの音は拾い、後ろからの音は拾わない」 — カーディオイドマイクという名前で、実際に売られている。

((真後ろ)で になる。後ろの音を拾わない。)

バラ曲線。

が奇数なら 枚、偶数なら 枚の花びらを描く。

なら 枚の花。 なら 枚の花。

直交座標で書こうとすると、悪夢のような式になる。 極座標なら 行だ。

アルキメデスの螺旋。

「角度に比例して、距離が伸びる」

蚊取り線香、時計のぜんまい、レコードの溝 — この形をしている。

対数螺旋(等角螺旋)。

「回るごとに、距離が指数関数的に増える」

この螺旋は、自然界に満ちている。

  • オウムガイの殻
  • ヒマワリの種の配列
  • 台風の渦
  • 銀河の渦状腕

なぜ、これほど普遍的なのか。

「成長しても、形が変わらない」からだ。

オウムガイは、大きくなっても、殻の形は相似のまま。

この「自己相似性」をもつ螺旋は、対数螺旋だけである。

ヤコブ・ベルヌーイは、この曲線に魅せられ、自分の墓に刻ませようとした。

「同じでありながら、変化して蘇る」というラテン語の銘とともに。

(だが、石工が間違えて、アルキメデスの螺旋を刻んでしまったという逸話がある。)

極座標の威力は、天文学でも発揮される。

惑星の軌道(楕円)を、太陽を原点とする極座標で書くと

この 行で、円・楕円・放物線・双曲線のすべてが表せる。

離心率 の値を変えるだけだ。

直交座標では、 種類の別々の方程式が必要だった。

極座標なら、 つの式で統一される。

「座標の選び方が、世界の見え方を変える」

この、単なる座標変換。

その先には、花びらと、渦巻きと、惑星の軌道を、たった 行で書く世界が広がっている。

別解

図で描けば、公式を使わずに答えが出る。

原点から、 の方向に、長さ の矢印を引く。

その先端の座標を、読み取ればよい。

この矢印を斜辺とする、直角三角形を作る。

  • 斜辺:
  • :

の直角三角形だ!

辺の比は、

  • 斜辺
  • の向かい側(縦)
  • の向かい側(横)

だから、点の座標は

三角比の値を暗記していなくても、この有名な三角形の比を知っていれば出せる。

さて、 つ注意しておきたいことがある。

極座標の表し方は、 通りではない。

同じ点 を、こんなふうにも書ける。

の整数倍を足しても、同じ点だ。( 周して戻るから。)

さらに、 を負にすることも許す流儀では

( は「反対向きに 進む」という意味。)

これも同じ点を指す。

つの点に、無限通りの極座標」

直交座標なら、 つの点には 組の しかなかった。

この一意性のなさが、極座標の扱いにくいところだ。

だから、問題では必ず範囲が指定される。

この範囲なら、表し方は 通りに決まる。

(ただし、原点だけは例外。 なら、 は何でもいい。)

では、なぜ、そんな扱いにくい座標をわざわざ使うのか。

「原点からの距離」が主役の問題では、圧倒的に楽だからだ。

円の方程式。

極座標なら、たった 文字!

渦巻き、花びら、心臓形 — 原点まわりの対称性をもつ図形は、極座標で書くと驚くほど単純になる。

「道具は、場面で選ぶ」

直交座標が万能ではない。 問題の対称性に合った座標を選ぶことが、計算を楽にする最大のコツなのだ。

ポイント

  • は距離、 軸からの角。

よくある間違い

  • と、 を逆にしてしまう。
  • と読み違える。()
  • を掛け忘れ、 で終える。 を掛けて