数学C / 平面上の曲線
双曲線の漸近線
問題
双曲線 の漸近線を求めよ。
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漸近線の傾きは と の比で決まる。どちらが分子だったか自信がなければ、 を大きくしたとき曲線がどんな直線に近づくかを式からイメージして確かめよう。
解答・解説
方針
漸近線は 。、 より 、。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 漸近線の公式。
与式から、 と を読む。
(、。分母の平方根であることに注意。)
傾きは 。
であって、 ではない。
この分数の"向き"が、いちばん間違えやすい。
覚え方: 「 の分母の ÷ の分母の 」
分子には 側()、分母には 側()が来る。
丸暗記が不安なら、別解の「 とおく」方法を使えばよい。 そちらなら、迷いようがない。
、 より 、。
まとめ:双曲線の漸近線は ( の分母のルートが分母、 の分母のルートが分子)。曲線は遠くでこの 直線に限りなく近づく。 とおくと漸近線の式が出る、と覚えてもよい。
発展 — 一歩先へ。 双曲線は、 次元では双曲面になる。
そして、この形は、意外な場所で使われている。
原子力発電所の冷却塔。
あの、くびれた独特の形。 あれは一葉双曲面という曲面だ。
双曲線を、 軸のまわりに回転させた形である。
なぜ、この形なのか。
理由 : 上昇気流を効率よく作れる。
下が広く、真ん中がくびれ、上が広がる。 この形が、空気の流れを加速し、自然対流を生む。
煙突効果を最大化する形なのだ。
理由 : 直線で作れる!
これが、驚くべき性質だ。
双曲面は、曲面なのに、まっすぐな直線だけで作れる。
線織面という。
確かめてみよう。 双曲面の方程式を変形する。
この式は、こんな 本の直線の族で満たされる。
を動かすと、直線が動いて、双曲面全体を覆う。
曲がった面が、まっすぐな棒の集まりでできている。
この性質が、建築に革命をもたらした。
まっすぐな鉄骨だけで、優雅な曲面が作れる。
曲げた鉄骨より、はるかに安く、強い。
冷却塔、電波塔、東京の一部の建築物 — すべて、この原理で建っている。
ロシアの技術者シューホフが、 年に初めてこの構造を実用化した。
そして、双曲面のもう つの応用。
歯車。
軸が交わらず、平行でもない 本の回転軸を、なめらかに噛み合わせたい。
その解が、双曲面歯車(ハイポイドギア)だ。
車のデファレンシャルギア(左右の車輪の回転差を吸収する装置)に使われている。
あなたの車の下で、いま双曲面が回っている。
という、 本の漸近線。
その双曲線を回転させた曲面が、原発を冷やし、電波を飛ばし、車を走らせている。
「曲がった面が、まっすぐな線でできる」
この逆説的な事実が、 次曲線の隠された贈り物である。
別解
公式を忘れても大丈夫 — 「右辺を とおいて、因数分解する」。
漸近線の求め方で、いちばん確実な方法だ。
双曲線の式で、右辺の を に変える。
この式を因数分解する。
の形だ。
それぞれを とおく。
本解と同じ ✓ 公式を 度も使っていない。
なぜ、この方法でよいのか。
、 が非常に大きい世界を想像してほしい。
なら、左辺の各項は 万を超える。
その世界で、右辺の は、あってもなくても同じだ。
「無限遠では、 は と区別がつかない」
この割り切りが、漸近線を生む。
そして、この方法の利点。
① 公式を覚えなくていい。
か かで迷わない。 因数分解すれば、自動的に正しい傾きが出る。
② 一般の双曲線でも使える。
平行移動した双曲線の漸近線は?
とおいて因数分解する。
中心 を通る、傾き の直線 ✓
公式を覚えていたら、平行移動のぶんを足すのを忘れがちだ。
この方法なら、自動的に処理される。
③ 軸方向の双曲線でも使える。
とおくと、同じ因数分解になる。
漸近線は、横向きの双曲線とまったく同じだ!
( つの双曲線は、同じ漸近線を共有する。共役双曲線という。)
この事実も、 の方法なら一瞬で分かる。
「公式を覚える」より、「原理を使う」ほうが、応用が効く。
そして、間違えない。
ポイント
- 漸近線 。
- からも出る。
よくある間違い
- 傾きを としてしまう。漸近線の傾きは
- 分母の 、 をそのまま使って としてしまう。平方根をとって 、
- 漸近線が双曲線と交わると考える。近づくだけで、決して交わらない