数学C / 平面上の曲線

楕円上の点と焦点距離

★★★ 応用楕円

問題

楕円 上の点 から一方の焦点 までの距離が であるとき、もう一方の焦点 までの距離 を求めよ。

ヒントを見る

P の座標を求めにいくと泥沼。楕円の定義に戻れば、ほとんど計算せずに終わる。

解答・解説

方針

楕円では (一定)。 なので和は から を引き算で出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の座標を求めにいくと計算が重い。

楕円には「 焦点からの距離の和が一定」という定義がある。和は より だから、

が分かっているので、あとは引き算。、と見通す。

定理楕円の定義:(距離の和は一定)

① 距離の和を出す。 より 。楕円上の点では

② 引き算する。 だから

xyOFF′P
楕円 x²/9+y²/4=1。焦点 F,F′(±√5,0)。楕円上の点Pで PF+PF′=2a=6(一定)

まとめ:楕円の「 焦点からの距離の和は一定()」を使えば、片方の距離からもう片方が即座に出る。 なら 。座標を求める必要はなく、定義だけで解ける典型だ。

発展 — 一歩先へ。 じつは楕円上の点から焦点までの距離は、 座標の 次式で書ける。 を離心率として、。和が になるのは、この 式を足すと が消えるからだ。

この楕円は 。焦点距離は について と直線的に変わり、いちばん近い頂点で 、いちばん遠い頂点で

だから焦点距離は から までの値をとる。 はこの範囲に収まる正しい値。離心率 が大きい(楕円がつぶれている)ほど、 の開きが大きくなる。

別解

別解 — の座標を求めて直接測る(得意な人向けの確かめ)。 定義に頼らず、 を実際に求めて距離を計算しても が出る。

焦点は で、 は楕円上だから より

を代入して整理すると 、すなわち 。解くと または 。楕円上では だから

このとき までの距離は

定義で引き算する本解と同じ。座標を出して直接測っても、 がちゃんと成り立つ。定義の近道が、この計算に裏づけられている。

ポイント

  • 片方が分かれば引き算で他方が出る。

よくある間違い

  • と取り違え、和を にしてしまう。
  • 定義を使わず の座標を求めにいき、根号 つの距離計算で行き詰まる。
  • 長軸の半分 と焦点までの を混同し、(焦点の 座標)として を誤る。