数学C / 空間ベクトル

球に内接する直方体の最大体積

最難関編最大最小相加相乗

問題

半径 の球に内接する直方体の体積の最大値を求めよ。

ヒントを見る

直方体が球にぴったり入る条件を1本の式にする — 球の中心と直方体の中心が一致するとき、直径に等しいのは直方体のどの長さか。そのあと積 xyz を押さえる不等式は、2乗の世界で使うとぴったり合う。

解答・解説

方針

内接の条件は「直方体の対角線 = 球の直径」の1本: x²+y²+z²=12。体積 V=xyz の最大は、V²=x²y²z² に3変数の相加相乗を使うと (12/3)³=64 で頭打ち — 等号は x²=y²=z²、すなわち立方体。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 直方体が球に内接する条件は、たった1本の式で書ける。対角線が球の直径、すなわち3辺 について

最大化したい体積は 。「和が一定の下で積を最大化」— 3文字の相加相乗平均の出番だ。ただし のままでは形が合わないので、 と2乗して「 の積」に直すのがつなぎの一手になる。

定理相加相乗(3変数): (等号 ⟺ )。積の最大化は2乗して和の固定に合わせる

① 条件を式にする。 対角線 が直径 に等しいから

② 相加相乗で押さえる。 に適用:

③ 等号の確認。 等号は 、すなわち (1辺2の立方体)のとき。このとき対角線は ✓ たしかに内接し、 が実現する。よって最大値は

まとめ: 「内接条件を対角線1本に翻訳」+「積は2乗して相加相乗」の2手。制約が『2乗の和』の形のときは、積も2乗の世界で扱うと不等式が噛み合う — 等号(立方体)の実現確認までがワンセットだ。

発展 — 一歩先へ。 半径 なら最大は1辺 の立方体で 。2次元版は「円に内接する長方形の最大は正方形」。制約が対称なら最適も対称 — この経験則(と、それを厳密にする相加相乗・微分)は、最適化のいちばん大きな道しるべだ。

(1辺2の立方体のとき)

別解

1文字ずつ最適化する(微分で段階的に)。 3文字を一度に扱わず、まず を止める。残る条件は (一定)で、このとき積 の最大は2文字の相加相乗から

よって 。あとは1変数の微分:

増減表から で最大 。等号をたどると かつ 、条件から の立方体。

3文字の相加相乗(本解)は一撃だが「 に直す」ひらめきが要る。逐次最適化は、2文字の相加相乗と1変数の微分という教科書の道具2つの直列で、ひらめきを腕力に置き換える。多変数の最大化の常套手段として、両方の型を持っておきたい。

ポイント

  • 内接 ⟺ 対角線 = 直径:
  • (相加相乗)。
  • 等号は立方体 、最大値8。

よくある間違い

  • 内接条件を「対角線=半径」として で進める(対角線は直径 )。
  • のまま3文字の相加相乗を使おうとして形が合わない( に直してから)。
  • 等号成立( が拘束を満たすこと)の確認を落とす。