数学C / 空間ベクトル

立方体の正六角形の切り口

最難関編空間図形断面

問題

座標空間の1辺1の立方体 を、平面 で切る。

(1) 切り口が正六角形であることを示せ。

(2) 切り口の面積を求めよ。

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立方体の12本の辺のうち、平面が横切る辺はどれか — 辺上の点は座標の2つが0か1で、残り1つが動く。交点を全部並べて、隣どうしの距離と角を内積で測ってみると。

解答・解説

方針

平面と立方体の辺の交点を全部求める: 各辺上では座標2つが0か1に固定されるので、x+y+z=3/2 との交点は座標の和で機械的に判定できる。交点は6つの辺の中点で、辺の長さと内角(内積)を計算すれば正六角形とわかる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 切り口の頂点は、平面と立方体のとの交点だ。立方体の辺の上では、3座標のうち2つが に固定される。

だから各辺について、 を満たす点があるかは「残り1座標が に収まるか」の機械的な判定で決まる。数えると、交点はちょうど6本の辺の中点になる。

あとは6点を順に結び、辺の長さと内角(となり合う辺ベクトルの内積)を計算すれば、「正六角形」が数値で確定する。

重要断面の頂点 = 平面と辺の交点。辺上では2座標が固定なので、平面の式への代入で交点が全数調査できる

① 交点を洗い出す((1)前半)。 辺の固定2座標の和は のいずれか。交点の残り座標は で、辺上( 以上 以下)にあるのは和が のときの のみ。固定2座標が 型の辺は12本中6本あり、交点は

— 6本の辺の中点である(この順で隣り合う2点は立方体の同じ面の上にあり、切り口はこの順の六角形)。

② 正六角形であること((1)後半)。 隣り合う2点の差はどれも の並べ替えの形で、長さはすべて

また隣り合う辺のベクトルの内積はどれも で、、内角はすべて 。辺も角もすべて等しいから正六角形である。

平面 x+y+z=3/2 による切り口(赤)。6本の辺の中点を結ぶ正六角形で、対角線 (1,1,1) 方向に垂直な断面

③ 面積((2))。 1辺 の正六角形の面積は だから

まとめ: 「断面は辺との交点の全数調査」— 立方体では座標の固定パターンで交点が代数的に拾える。中心 を通る対角線 方向に垂直な切り口が正六角形になる、という立体の名場面を、ベクトルの計算だけで確定させる問題だ。

発展 — 一歩先へ。 平面 から まで動かすと、切り口は点→正三角形→六角形→正三角形→点と変化し、正六角形になるのは中心を通る の一瞬だけ。この「立方体を体対角線に垂直に切ると正六角形」は、宝石のカットや結晶の断面にも現れる形で、切り口の面積もこのとき最大になる。

(1) 6辺の中点を順に結ぶ正六角形(証明) (2)

別解

対称性で「正」を言い当てる(計算を検算に回す)。 辺長と内角を測る前に、この切り口が持つ対称性を見よう。

平面 は立方体の中心 を通り、法線 体対角線の方向だ。

  • 120°回転対称: 座標の巡回 は立方体を保ち、 を変えない(=体対角線まわりの120°回転)。切り口はこの回転で自分に重なる。
  • 点対称: 中心対称 も立方体と平面を保つ(座標和は )。

120°回転対称な六角形は、辺が と交互になり得るまでが限界。だが点対称(180°)も併せ持つと、 が強制されて回転対称は60°に上がる — 内角も辺もすべて等しい正六角形しかありえない。

面積は正六角形の公式で 。対称性が「正」を先に保証し、計算(辺長 )は検算になる — 対称図形の議論のお手本の型だ。

ポイント

  • 交点は「固定2座標の和が1」の6辺の中点。
  • 辺長すべて 、内角すべて120°(内積 )。

よくある間違い

  • 辺との交点を求めるとき、パラメータが に収まるか(辺の内部か)の確認を落とし、延長上の交点を数えてしまう。
  • 6頂点を結ぶ順序を誤り、辺の長さの計算が対角線と混ざる(座標和の巡回順に並べる)。
  • 正六角形の面積公式 の係数を と混同する( を代入した後の本問の値)。