数学C / 空間ベクトル

正四面体の内部の点から4面までの距離の和(ベクトルと体積)

実戦編空間ベクトル体積距離幾何単元横断

問題

正四面体の内部の点 から つの面までの距離の和は、 の位置によらず一定であることを示し、その値を四面体の高さ で表せ。

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から各面までの距離を高さ、その面を底面とする小四面体4つに分ける。体積の和は全体 。面積がすべて等しいことを使うと、距離の和は?

解答・解説

方針

内部の点 と各面で つの小四面体を作ると、体積の和が全体 。正四面体は 面の面積が等しいので、距離の和が一定になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 距離の和を直接追うのは大変。体積で考えるのが急所だ。

内部の点 と各面を結ぶと、四面体は つの小四面体に分かれる。各小四面体の体積は 。その和が全体の体積

正四面体は 面の面積がすべて等しく 。だから 、すなわち (高さ)で、 の位置によらず一定。

POABC
内部の点Pから4面への距離の和 d₁+d₂+d₃+d₄ は位置によらず一定(=高さh)
重要内部の点で四面体を 分割 → (小四面体の体積の和 = 全体)

分割して体積の和。 から各面までの距離を 、各面の面積を (正四面体なので共通)とする。 を頂点とする つの小四面体の体積の和が全体だから ② 距離の和を出す。 左辺をまとめて 。よって 右辺は によらない定数だから、距離の和は一定

③ 高さで表す。 全体の体積は「 つの面を底面、対する頂点までの高さ 」でも 。これを代入すると よって距離の和は四面体の高さ に等しい(一定)。

まとめ 内部の点で四面体を 分割すると体積の和が 。面積が等しい正四面体では距離の和が で一定。平面のヴィヴィアーニの定理の 次元版。空間(体積分割)と幾何の融合。

発展 — 一歩先へ。 「内部の点から各面までの距離の和が一定」は、平面のヴィヴィアーニの定理(正三角形)の立体版。一般の正 単体でも、 面の面積が等しいので同じことが成り立つ。等面(すべての面が合同)な四面体なら、正四面体でなくても和は一定 — 面積が等しいことだけが効く。

と各面で作る つの小四面体の体積の和が全体の体積 。各面の面積は等しく なので (一定)。

別解

別解 — 平面版「ヴィヴィアーニの定理」の立体版として(得意な人向けの視点)。 この事実は、平面の有名な定理の3次元版だ。平面では「正三角形の内部の点から 辺までの距離の和は一定(高さに等しい)」(ヴィヴィアーニの定理)。証明はやはり面積分割:点と各辺で つの三角形に分け、面積の和 全体。

立体でも同じ論法。正四面体を、内部の点 と各面で つの小四面体に分ける。 面の面積が等しい()から

によらないから、和 (高さ)も一定。

「面積で分割 → 底面積が共通なら和が一定」という発想が、平面(三角形)と立体(四面体)で完全に平行している。次元を1つ上げても同じ論法が効く好例だ。

ポイント

  • 内部の点で四面体を4つの小四面体に分ける。
  • 体積の和
  • 面が等積の正四面体では距離の和 (一定)。

よくある間違い

  • 距離の和を座標で直接追い、 つの平面の方程式から個別に計算して煩雑になる(体積分割が本筋)。
  • 小四面体の体積を でなく とする( を落とす)。
  • 正四面体でない一般の四面体でも和が一定と思い込む( 面の面積が等しいことが本質)。