数学C / 空間ベクトル
空間の2点間の距離
問題
点 、 の間の距離を求めよ。
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点間の距離は、結ぶベクトルの大きさ。原点からなので成分がそのまま使える。
解答・解説
方針
点間の距離は の大きさ。 を求め、大きさを計算する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 点間の距離は、その 点を結ぶベクトルの大きさだ。
まず、 を求める。
( が原点なので、 の座標がそのままベクトルになる。)
その大きさを計算する。
距離は 。
「 点間の距離」と「ベクトルの大きさ」は、同じものだ。
そして、この問題では が原点なので、「原点からの距離」を求めていることになる。
原点からの距離が の点 — その全体は、半径 の球面をなす。
距離という概念から、球という図形が生まれる。
① を求める。 。
② 大きさを計算する。
まとめ: 点間の距離は「 の大きさ」= 座標の差の 乗和の平方根。空間版の距離公式で、 座標の差が加わる。。
発展 — 一歩先へ。 「 点間の距離」を求める公式は、GPS の原理そのものだ。
あなたのスマホは、どうやって現在地を知るのか。
上空の人工衛星から、電波を受け取っている。
電波には、「発信時刻」の情報が入っている。
受信時刻との差から、電波が届くのにかかった時間が分かる。
これで、「その衛星から、どれくらい離れているか」が分かる。
衛星 個からの距離が分かったとき、あなたはどこにいるか。
「衛星から距離 」という条件を満たす点の集合 — 球面だ。
まだ、 点には決まらない。
衛星 個なら?
つの球面の交わり — つの円になる。
まだ決まらない。
衛星 個なら?
つの球面の交わり — 点に絞られる。
( つは地球上、もう つは宇宙空間のあり得ない位置なので、実質的に決まる。)
だから、原理的には、衛星 個で位置が分かる。
なぜ、実際には 個以上使うのか。
時計の誤差があるからだ。
スマホの時計は、衛星の原子時計ほど正確ではない。 わずかな時刻のズレが、距離の大きな誤差になる( マイクロ秒のズレ m の誤差!)。
そこで、時刻のズレ も未知数として扱う。
未知数は つ(、、、)。 だから、方程式も 本 — 衛星が 個必要になる。
そして、この連立方程式を解くのに使われるのが、まさに距離の公式だ。
さらに、相対性理論の補正まで入っている。
衛星は高速で動き(特殊相対論の効果で時間が遅れる)、地球の重力が弱い場所にある(一般相対論の効果で時間が速く進む)。
この つの効果を合わせると、衛星の時計は地上より 日に約 マイクロ秒進む。
補正しなければ、 日で km も誤差が出る。
GPS は、相対性理論を実用化した、最初の技術なのだ。
この、三平方の定理を 次元に拡張しただけの公式。
それが、 万 km 上空の衛星と、あなたのポケットの中のスマホをつないでいる。
別解
「原点から距離 」という条件を満たす点の集合を考える。
この問題の答えは だった。
では、原点から距離 の点は、 だけだろうか。
もちろん、違う。無数にある。
いくつか挙げてみよう。
すべて、原点から距離 にある。
これらの点の全体は、何を作るか。
半径 の球面だ。
球面の方程式である。
この式は、「原点からの距離が 」という条件を、そのまま式にしただけ。
両辺を 乗すれば、上の式になる。
中心が原点でなければ?
中心 、半径 の球面は
「中心からの距離が 」という条件そのままだ。
平面( 次元)での円の方程式と、まったく同じ構造。
次元が つ上がると、円が球になる。
そして、 次元では「超球面」になる。
式は自然に拡張されるが、もはや誰にも図に描けない。
それでも、「距離が一定の点の集合」という意味は、変わらない。
さて、この球にまつわる、有名な計算を確認しておこう。
半径 の球の体積。
表面積。
同じ数()になった!
偶然だろうか。
のときだけ、体積と表面積の"数値"が一致する。
(もちろん、単位が違う(体積は 、表面積は )ので、本質的な意味はない。数字の遊びだ。)
それでも、こういう小さな発見が、数学を面白くする。
距離という、いちばん基本的な量。
そこから、球という図形が生まれ、体積と表面積の公式が生まれる。
ポイント
- 距離 (座標の差の大きさ)。
- 成分の差の 乗和の平方根。
よくある間違い
- と、引く順を逆にする(この問題では が原点なので影響しないが、一般には向きが逆になる)
- 成分を 乗し忘れる。 成分すべてを 乗して足す
- を としてしまう。根号は、和をとってから外す