数学C / 空間ベクトル

空間の三角形の重心

★ 基礎重心

問題

を頂点とする三角形の重心 の座標を求めよ。

ヒントを見る

重心は 頂点の平均。空間でも同じ。

解答・解説

方針

重心は 頂点の平均。 成分それぞれ平均する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 空間の重心も、 頂点の平均だ。

座標ごとに、 つの平均をとる。

平面の重心と、まったく同じ公式。 座標が つ増えただけだ。

注意すべき点が つある。

点が空間に散らばっていても、それらは必ず 枚の平面の上に乗る。

( 点があれば、平面が つに決まる。)

だから、この三角形は「空間に浮かぶ、平らな三角形」だ。

その重心を求めている、というわけである。

空間だからといって、特別なことは何もない。

公式三角形の重心

ABCG
三角形 ABC の重心 G(2,3,1)(3頂点の座標の平均)

まとめ:空間の重心も「 頂点の平均」。。平面と全く同じで、 座標が加わるだけだ。

発展 — 一歩先へ。 空間には、三角形の重心のほかに、四面体の重心がある。

頂点 の四面体。 その重心は?

予想はつくだろう。

頂点の平均だ。

そして、三角形の「中線 」に対応する性質もある。

四面体の頂点 と、向かい合う面 の重心 を結ぶ線分を考える。

本の線分( つの頂点それぞれについて)が、 点で交わる。

そして、その点は、線分を頂点から に内分する。

三角形では 、四面体では

規則が見える。

次元(線分)では (中点)。 次元(三角形)では 次元(四面体)では

証明も、同じ形でできる。

ここで は、残り 個の頂点の平均。 展開すると、全体の平均になる。

次元が上がっても、構造は変わらない。

そして、この「重心」は、物理的な意味をもつ。

四面体の板( 様な密度)を、この点で支えれば、釣り合う。

さらに、 点に等しい重さのおもりを置いたときの、釣り合いの点でもある。

「重心 平均」という、単純な事実。

それが、 次元でも変わらずに成り立つ。

そして、この考え方は統計学に直結する。

データの平均は、データ点の"重心"だ。

個のデータを、 個の質点だと思えば、平均はその重心。

そして、「平均からの距離の 乗の和が最小になる点」も、平均である。

重心は、「みんなから、いちばん近い点」なのだ。

三角形の重心も、そういう点である。

頂点からの距離の 乗の和を最小にする点 — それが重心だ。

「平均」という、小学校で習った素朴な概念。

それが、幾何の重心であり、統計の中心であり、最適化の解でもある。

という 行に、これだけの意味が詰まっている。

別解

「中線を に内分する」で、空間でも重心が求まることを確かめる。

平面で成り立った定理が、空間でも成り立つか。 検証してみよう。

まず、 の中点 を求める。

中線 を、 から に内分する。

つまり、 から へ、全体の 進む。

本解と同じ ✓

空間でも、「重心は中線を に内分する」が成り立った。

別の中線でも確かめよう。 の中点

同じ点 ✓

本の中線が、確かに 点で交わっている。

なぜ、平面の定理が、そのまま空間でも成り立つのか。

答えは単純だ。

点は、必ず 枚の平面上にある。

だから、「三角形の中の話」は、その平面の中で完結する。

空間に浮いていようが、傾いていようが、三角形は三角形だ。

「平面図形の定理は、空間に置かれた平面図形でも、そのまま成り立つ」

この当たり前の事実が、空間図形の問題を解く鍵になる。

空間の問題を見たら、「どこかに平面を見つけられないか」と探す。

  • 点があれば、平面が決まる
  • 直線が交われば、平面が決まる
  • 立体を切れば、断面という平面が現れる

平面に落とし込めれば、あとは中学・高校で習った平面幾何の全知識が使える。

「空間 → 平面への帰着」

これが、空間図形の問題の、いちばん強力な戦略なのだ。

空間ベクトルの計算は、その帰着を「座標」の言葉で自動的にやってくれる。

図が描けなくても、計算が正しい答えを出す。

ポイント

  • 重心
  • 成分それぞれの平均。

よくある間違い

  • 座標の平均を計算し忘れる。 頂点の 座標()の平均は
  • 分母を にしてしまう。 頂点の平均なので で割る
  • 座標に が含まれるので、その頂点を計算から外してしまう。 も立派な値として、平均に含める