数学C / 空間ベクトル
空間ベクトルの垂直条件
問題
、 が垂直であるとき、定数 を求めよ。
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垂直 ⟺ 内積 。内積を の式で書けば 次方程式になる。
解答・解説
方針
垂直 ⟺ 内積 。 を について解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 垂直の判定は、空間でも内積 だ。
この道具しかない。そして、この道具で十分だ。
内積を、 の式で表す。
これを とおく。
平面のときと、手順はまったく同じ。 項が つ増えただけだ。
空間での「垂直」は、図では確かめにくい。
本の矢印が、 次元空間の中で、本当に直角をなしているか — 見た目では分からない。
だが、内積が なら、それは間違いなく垂直である。
「計算が、目より確かだ」 — 空間ベクトルの、いちばんの利点がこれだ。
① 内積 を書く。
② 解く。
まとめ:空間でも垂直は「内積 」。 成分の内積 を について解く。平面と全く同じ考え方で、成分が つ増えただけだ。
発展 — 一歩先へ。 法線ベクトルを使うと、点と平面の距離が、一瞬で求まる。
公式。
平面 と、点 の距離。
この式は、どこから来るのか。
法線方向への"射影"だ。
平面上の任意の点 から、目的の点 へのベクトル を考える。
求める距離は、 を法線方向へ射影した長さである。
「法線方向の単位ベクトルとの内積」 — つまり、影の長さだ。
これを成分で書き下すと、上の公式になる。
平面の方程式の係数()が、そのまま法線ベクトルだったおかげで、こんなに簡単に書ける。
平面( 次元)の「点と直線の距離」の公式も、まったく同じ構造だった。
次元上げても、形が変わらない。
そして、 次元でも同じ。
この公式は、機械学習の中心にある。
サポートベクターマシン(SVM)という手法。
「 種類のデータを、 枚の平面(超平面)で分ける」
そして、「その平面から、いちばん近いデータ点までの距離(マージン)を、最大にする」
マージンが大きいほど、分類が"余裕をもって"できている。
この「距離を最大化する」という最適化問題を解くのが、SVM だ。
そこで使われる距離の式が、まさに上の公式である。
は、分離超平面の法線ベクトル。
画像認識、スパムフィルタ、医療診断 — 年代の機械学習を席巻した手法が、この 行の距離公式に支えられている。
「点と平面の距離」という、高校の教科書に載っている公式。
それが、 次元、 次元の空間で、データを分類する武器になる。
次元が上がっても、公式は変わらない。
それが、ベクトルという言語の、恐るべき普遍性である。
別解
「 に垂直なベクトル」は つではない。その全体が"平面"をなす。
平面( 次元)では、あるベクトルに垂直な方向は、( を除いて) つしかなかった。
だが空間( 次元)では、事情が変わる。
に垂直なベクトルを、いくつか探してみよう。
条件は 、つまり
この式を満たす を、 つ挙げる。
どれも に垂直だ。
この問題の答え も、その つにすぎない。
では、垂直なベクトルは、全部でいくつあるのか。
無数にある。 そして、それらの終点は — 枚の平面を作る。
これは、原点を通る平面の方程式だ。
「 に垂直なベクトルの全体 原点を通る平面」
この事実から、重要な概念が生まれる。
法線ベクトル。
平面 に対して、 が、その平面に垂直なベクトルになる。
平面の方程式の係数が、そのまま法線ベクトルの成分だ!
確かめよう。 平面 上の 点を取る。
平面上のどんな方向とも、 は垂直だ。
この「法線ベクトル」という考え方が、空間図形の計算を劇的に簡単にする。
- 平面のなす角 → 法線ベクトルのなす角
- 点と平面の距離 → 法線方向への射影
- 平面の方程式を求める → 法線ベクトルと通る点があればよい
そして、CG(コンピュータグラフィックス)では、法線ベクトルが「光の当たり方」を決める。
面の法線と、光源の方向の内積を計算する。
内積が大きい(真正面から光が当たる)ほど、明るい。
内積が (横から)なら、暗い。
あなたが見るゲームの D映像は、 秒間に何億回、この内積を計算している。
「垂直 内積 」という素朴な条件。
それが、平面を定義し、光を描き、 D の世界を作っている。
ポイント
- 垂直 ( 成分)。
- 平面と同じ考え方。
よくある間違い
- 内積の第 項 の符号を落とす。負の成分の掛け算に注意する
- を解くとき、 と符号を誤る。 から
- 垂直の条件を「実数倍」としてしまう。実数倍は平行の条件