数学C / 空間ベクトル
空間ベクトルのなす角
問題
、 のなす角 を求めよ。
ヒントを見る
内積と大きさから を出す、いつもの手順。出た値がどの有名角に対応するか。
解答・解説
方針
。内積と大きさを計算して代入する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 なす角の求め方は、平面と同じだ。
内積と大きさを、それぞれ計算する。
代入する。
答えは 。
次元の角度は、図では確かめにくい。
だが、この つのベクトルには、美しい幾何的な意味が隠れている。
それは別解で明かそう。
まずは、公式が平面とまったく同じ形で使えることを、確認しておこう。
① 内積と大きさを求める。
② を計算する。
③ 角を求める。 より 。
まとめ:空間のなす角も「内積 ÷(大きさの積)」で平面と同じ。 成分の内積・大きさを使うだけ。 は 。
発展 — 一歩先へ。 正四面体の"中心角"を、実際に計算してみよう。
正四面体の中心から、 つの頂点へ向かうベクトル。 そのなす角は?
立方体の中に埋め込んだ正四面体を使う。
立方体の頂点を とすると、正四面体の 頂点は
( 成分の積が正になる 点。)
中心は原点だ。
つの頂点へのベクトルのなす角を求めよう。
!
この角度が、化学の教科書に必ず出てくる「正四面体角」である。
メタン の、–– の結合角が、まさにこれだ。
なぜ、炭素の結合角がこの値なのか。
つの電子対が、互いにできるだけ遠ざかろうとするからだ。
球面上に 点を、最も均等に配置すると — 正四面体の頂点になる。
「反発しあう つのものを、最も離して置く」という物理的な要請が、正四面体という幾何的な形を生む。
そして、その角度は という、内積から出てくる数だ。
水分子の結合角()が、これに近いのも同じ理由である(孤立電子対の影響で、少し狭くなっている)。
ダイヤモンドの硬さも、この角度に由来する。
炭素原子が、 方向すべてに強い結合をもち、正四面体を無限に繰り返す。 どの方向にも均等に強い、完璧な構造だ。
内積 という、 つの数。
そこから、 という角が出て、それがメタンの形を決め、ダイヤモンドの硬さを決めている。
数学は、世界の形を予言する。
「なぜ、そういう形なのか」という問いに、答えを与えるのだ。
別解
この は、立方体の中に隠れた正三角形の角である。
つのベクトルを、よく見てほしい。
これは、単位立方体の面の対角線だ。
- : 底面( 平面)の対角線
- : 側面( 平面)の対角線
つとも、原点から出ている。 そして、長さはどちらも 。
ここで、もう 本、面の対角線を追加しよう。
つのベクトルの終点 、、 を結ぶと、何ができるか。
点の距離を計算しよう。
辺がすべて — 正三角形だ!
立方体の つの頂点を結ぶと、正三角形が現れる。
正三角形の内角は、。
そして、原点からこの 頂点へ向かうベクトルどうしのなす角も、 になる(原点と 頂点で、正四面体ができるから)。
だから、答えは ✓ 計算せずに、図形から分かった。
この事実は、立方体の隠れた美しさを教えてくれる。
立方体の 頂点のうち、 つおきに 点を選ぶと — 正四面体になる。
、、、 の 点。
すべての辺の長さが の、完璧な正四面体だ。
立方体の中に、正四面体が つ、互いに交差して埋め込まれている(残りの 頂点で、もう つできる)。
この つの正四面体の重なりが、「星形八面体」という美しい立体を作る。
ケプラーが 年に記述した図形だ。
さらに、正四面体の中心角(中心から 頂点への角)は、。
この角度は、水分子()やメタン()の結合角として、化学に現れる。
炭素原子の つの結合手は、正四面体の頂点方向を向いている。
ダイヤモンドの結晶構造も、この正四面体の繰り返しだ。
、 という、 行の計算。
その裏に、立方体と正四面体と、ダイヤモンドの構造が横たわっている。
ポイント
- (平面と同じ)。
- 成分で計算。
よくある間違い
- を としてしまう。
- の計算を忘れ、分母を のままにしてしまう
- から としてしまう。、