数学C / 空間ベクトル

空間ベクトルのなす角

★ 基礎なす角

問題

のなす角 を求めよ。

ヒントを見る

内積と大きさから を出す、いつもの手順。出た値がどの有名角に対応するか。

解答・解説

方針

。内積と大きさを計算して代入する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 なす角の求め方は、平面と同じだ。

内積と大きさを、それぞれ計算する。

代入する。

答えは

次元の角度は、図では確かめにくい。

だが、この つのベクトルには、美しい幾何的な意味が隠れている。

それは別解で明かそう。

まずは、公式が平面とまったく同じ形で使えることを、確認しておこう。

公式なす角

① 内積と大きさを求める。

を計算する。

③ 角を求める。 より

abθO
a=(1,1,0), b=(1,0,1) のなす角 θ=60°

まとめ:空間のなす角も「内積 ÷(大きさの積)」で平面と同じ。 成分の内積・大きさを使うだけ。

発展 — 一歩先へ。 正四面体の"中心角"を、実際に計算してみよう。

正四面体の中心から、 つの頂点へ向かうベクトル。 そのなす角は?

立方体の中に埋め込んだ正四面体を使う。

立方体の頂点を とすると、正四面体の 頂点は

( 成分の積が正になる 点。)

中心は原点だ。

つの頂点へのベクトルのなす角を求めよう。

!

この角度が、化学の教科書に必ず出てくる「正四面体角」である。

メタン の、 の結合角が、まさにこれだ。

なぜ、炭素の結合角がこの値なのか。

つの電子対が、互いにできるだけ遠ざかろうとするからだ。

球面上に 点を、最も均等に配置すると — 正四面体の頂点になる。

「反発しあう つのものを、最も離して置く」という物理的な要請が、正四面体という幾何的な形を生む。

そして、その角度は という、内積から出てくる数だ。

水分子の結合角()が、これに近いのも同じ理由である(孤立電子対の影響で、少し狭くなっている)。

ダイヤモンドの硬さも、この角度に由来する。

炭素原子が、 方向すべてに強い結合をもち、正四面体を無限に繰り返す。 どの方向にも均等に強い、完璧な構造だ。

内積 という、 つの数。

そこから、 という角が出て、それがメタンの形を決め、ダイヤモンドの硬さを決めている。

数学は、世界の形を予言する。

「なぜ、そういう形なのか」という問いに、答えを与えるのだ。

別解

この は、立方体の中に隠れた正三角形の角である。

つのベクトルを、よく見てほしい。

これは、単位立方体の面の対角線だ。

  • : 底面( 平面)の対角線
  • : 側面( 平面)の対角線

つとも、原点から出ている。 そして、長さはどちらも

ここで、もう 本、面の対角線を追加しよう。

つのベクトルの終点 を結ぶと、何ができるか。

点の距離を計算しよう。

辺がすべて — 正三角形だ!

立方体の つの頂点を結ぶと、正三角形が現れる。

正三角形の内角は、

そして、原点からこの 頂点へ向かうベクトルどうしのなす角も、 になる(原点と 頂点で、正四面体ができるから)。

だから、答えは 計算せずに、図形から分かった。

この事実は、立方体の隠れた美しさを教えてくれる。

立方体の 頂点のうち、 つおきに 点を選ぶと — 正四面体になる。

点。

すべての辺の長さが の、完璧な正四面体だ。

立方体の中に、正四面体が つ、互いに交差して埋め込まれている(残りの 頂点で、もう つできる)。

この つの正四面体の重なりが、「星形八面体」という美しい立体を作る。

ケプラーが 年に記述した図形だ。

さらに、正四面体の中心角(中心から 頂点への角)は、

この角度は、水分子()やメタン()の結合角として、化学に現れる。

炭素原子の つの結合手は、正四面体の頂点方向を向いている。

ダイヤモンドの結晶構造も、この正四面体の繰り返しだ。

という、 行の計算。

その裏に、立方体と正四面体と、ダイヤモンドの構造が横たわっている。

ポイント

  • (平面と同じ)。
  • 成分で計算。

よくある間違い

  • としてしまう。
  • の計算を忘れ、分母を のままにしてしまう
  • から としてしまう。