数学C / 空間ベクトル
空間ベクトルの内積
問題
、 のとき、内積 を求めよ。
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内積も平面と同じ規則 — 対応する成分を掛けて、全部足す。
解答・解説
方針
内積は成分どうしの積の和。 成分分を足す。。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 空間の内積も、成分どうしを掛けて足すだけだ。
項が つ増えただけ。
答えは 。 ベクトルではなく、ただの数だ。
平面と空間で、内積の意味も変わらない。
つのベクトルが「どれくらい同じ方向を向いているか」を測る。
そして、この つの表現から、空間でも角度が求まる。
空間は図に描きにくい。 だが、内積の計算に、図は要らない。
「見えないものを、計算で捉える」 — ここに、ベクトルの真価がある。
成分どうしをかけて足す( 成分分)。
まとめ:空間の内積も「成分どうしの積の和」。 成分の積が加わるだけ。結果は数(スカラー)。なす角・垂直の判定に使う、平面と同じ役割だ。
発展 — 一歩先へ。 空間には、平面にはなかった、もう つの"掛け算"がある。
外積(ベクトル積)だ。
内積と、まるで性格が違う。
| 内積 | 外積 | |
|---|---|---|
| 結果 | 数(スカラー) | ベクトル |
| 大きさ | ||
| になるとき | 垂直 | 平行 |
| 意味 | 影の長さ | 平行四辺形の面積 |
外積の つの重要な性質。
性質 : 外積は、元の ベクトルの両方に垂直。
と が張る平面に、垂直な方向を向く。
確かめよう。 、( 軸と 軸)なら
軸方向! 確かに、 平面に垂直だ。
性質 : 大きさは、平行四辺形の面積。
上の例なら、 — 単位正方形の面積 ✓
なぜ、外積は 次元にしかないのか。
「 つのベクトルに垂直な方向」が、 次元では(向きを除いて)ただ つに決まるからだ。
平面( 次元)では、「平面に垂直」な方向は、平面の外にある。 そこには行けない。
次元では、「 つに垂直な方向」が 次元分ある。 つに決まらない。
次元だけが、外積を許す特別な次元なのである。
この特殊性が、物理学に深く関わっている。
- 回転(角運動量):
- 磁場が電荷に及ぼす力:
- トルク(ねじりの力):
「右ねじの法則」で向きが決まる、あの現象だ。
なぜ、磁場の力は、速度にも磁場にも垂直に働くのか。
外積という演算が、 次元空間に存在するからである。
我々が住むのが 次元空間だという事実が、物理法則の形を決めている。
もし 次元だったら、磁力の法則は、まったく違う形になっていただろう。
別解
余弦定理から、内積 を再現する。
内積の本来の定義は、 だった。
成分の公式()が、それと一致することを確かめよう。
使うのは、この式だ。
(余弦定理を、内積について解いた形。空間でも、そのまま成り立つ。)
つの量を計算する。
代入する。
! 本解と完全に一致した ✓
「掛けて足す」という計算規則が、 辺の長さから復元できた。
この計算のご褒美として、なす角も分かる。
つのベクトルは、かなり近い方向を向いている。
確かに、 と は、どちらも「 少し、 中くらい、 多め」という似た傾向をもっている。
内積が大きい()のは、この"似ている"ことの現れだ。
次元では、角度を目で確かめられない。
それでも、計算は正しい答えを教えてくれる。
この「見えないものを測る」能力こそ、ベクトルを学ぶ最大の理由である。
次元が見えないなら、 次元は? 次元は?
もはや誰にも見えない。 だが、内積の公式は、そのまま通用する。
成分が 個になっても、掛けて足すだけ。
そして、 の公式で、"角度"が定義できてしまう。
「見えない空間の、見えない角度」を、計算だけで確定させる。
それが、現代のデータ解析や機械学習が、日常的にやっていることなのだ。
ポイント
- 。
- 成分の積が加わる。
よくある間違い
- 成分の項()を足し忘れる。空間では 項すべてを足す
- 内積の答えをベクトル としてしまう。内積は数(スカラー)で、
- 成分を交差させて掛けてしまう( など)。同じ位置の成分どうしを掛ける