数学C / 空間ベクトル

空間ベクトルの内積

★ 基礎内積

問題

のとき、内積 を求めよ。

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内積も平面と同じ規則 — 対応する成分を掛けて、全部足す。

解答・解説

方針

内積は成分どうしの積の和。 成分分を足す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 空間の内積も、成分どうしを掛けて足すだけだ。

項が つ増えただけ。

答えは ベクトルではなく、ただの数だ。

平面と空間で、内積の意味も変わらない。

つのベクトルが「どれくらい同じ方向を向いているか」を測る。

そして、この つの表現から、空間でも角度が求まる。

空間は図に描きにくい。 だが、内積の計算に、図は要らない。

「見えないものを、計算で捉える」 — ここに、ベクトルの真価がある。

公式空間の内積

成分どうしをかけて足す( 成分分)。

xyzab
a=(1,2,3), b=(4,5,6)。内積 a·b=1·4+2·5+3·6=32

まとめ:空間の内積も「成分どうしの積の和」。 成分の積が加わるだけ。結果は数(スカラー)。なす角・垂直の判定に使う、平面と同じ役割だ。

発展 — 一歩先へ。 空間には、平面にはなかった、もう つの"掛け算"がある。

外積(ベクトル積)だ。

内積と、まるで性格が違う。

内積 外積
結果 (スカラー) ベクトル
大きさ
になるとき 垂直 平行
意味 影の長さ 平行四辺形の面積

外積の つの重要な性質。

性質 : 外積は、元の ベクトルの両方に垂直。

が張る平面に、垂直な方向を向く。

確かめよう。 ( 軸と 軸)なら

軸方向! 確かに、 平面に垂直だ。

性質 : 大きさは、平行四辺形の面積。

上の例なら、 — 単位正方形の面積 ✓

なぜ、外積は 次元にしかないのか。

つのベクトルに垂直な方向」が、 次元では(向きを除いて)ただ に決まるからだ。

平面( 次元)では、「平面に垂直」な方向は、平面の外にある。 そこには行けない。

次元では、「 つに垂直な方向」が 次元分ある。 つに決まらない。

次元だけが、外積を許す特別な次元なのである。

この特殊性が、物理学に深く関わっている。

  • 回転(角運動量):
  • 磁場が電荷に及ぼす力:
  • トルク(ねじりの力):

「右ねじの法則」で向きが決まる、あの現象だ。

なぜ、磁場の力は、速度にも磁場にも垂直に働くのか。

外積という演算が、 次元空間に存在するからである。

我々が住むのが 次元空間だという事実が、物理法則の形を決めている。

もし 次元だったら、磁力の法則は、まったく違う形になっていただろう。

別解

余弦定理から、内積 を再現する。

内積の本来の定義は、 だった。

成分の公式()が、それと一致することを確かめよう。

使うのは、この式だ。

(余弦定理を、内積について解いた形。空間でも、そのまま成り立つ。)

つの量を計算する。

代入する。

! 本解と完全に一致した ✓

「掛けて足す」という計算規則が、 辺の長さから復元できた。

この計算のご褒美として、なす角も分かる。

つのベクトルは、かなり近い方向を向いている。

確かに、 は、どちらも「 少し、 中くらい、 多め」という似た傾向をもっている。

内積が大きい()のは、この"似ている"ことの現れだ。

次元では、角度を目で確かめられない。

それでも、計算は正しい答えを教えてくれる。

この「見えないものを測る」能力こそ、ベクトルを学ぶ最大の理由である。

次元が見えないなら、 次元は? 次元は?

もはや誰にも見えない。 だが、内積の公式は、そのまま通用する。

成分が 個になっても、掛けて足すだけ。

そして、 の公式で、"角度"が定義できてしまう。

「見えない空間の、見えない角度」を、計算だけで確定させる。

それが、現代のデータ解析や機械学習が、日常的にやっていることなのだ。

ポイント

  • 成分の積が加わる。

よくある間違い

  • 成分の項()を足し忘れる。空間では 項すべてを足す
  • 内積の答えをベクトル としてしまう。内積は数(スカラー)で、
  • 成分を交差させて掛けてしまう( など)。同じ位置の成分どうしを掛ける