数学C / 空間ベクトル
空間ベクトルの和
問題
、 のとき、 を求めよ。
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成分ごとに足すだけ。成分が つに増えても規則は変わらない。
解答・解説
方針
和は成分ごとに足す。 成分それぞれ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 空間ベクトルの和も、成分ごとに足すだけだ。
成分どうし、 成分どうし、 成分どうし。
つの方向は、互いに独立している。 縦にどれだけ動いても、横の位置は変わらない。
平面のときと、まったく同じ考え方だ。 成分が つ増えただけ。
図で見れば、 の終点に を継ぎ足したもの。
空間でも、この「継ぎ足し」は変わらない。 ただ、その矢印が奥行き方向にも伸びる、というだけだ。
空間ベクトルの計算で大事なのは、「平面でできたことは、そのまま空間でもできる」と知ることである。
恐れる必要はない。 成分が つ増えたぶん、書く手間が増えるだけだ。
まとめ:空間でも和は成分ごとに足すだけ。 成分になっても計算は同じ。実数倍・差も成分ごと。平面ベクトルの自然な拡張だ。
発展 — 一歩先へ。 「次元 基底の本数」という定義は、思わぬところで役に立つ。
色の話をしよう。
人間の目には、 種類の錐体細胞がある(赤・緑・青に反応する)。
だから、我々が知覚する色は、 次元のベクトルとして表せる。
「光の三原色」の正体が、これだ。
テレビもスマホも、赤・緑・青の つの光だけで、あらゆる色を作り出している。
なぜ つで足りるのか。 人間の色覚が 次元だからだ。
もし人間に 種類目の錐体があれば、 原色では足りなかった。
(実際、鳥や一部の昆虫は 色型の色覚をもつ。彼らにとって、我々のテレビの色は"偽物"に見えているかもしれない。)
同じ話が、音にもある。
音の波形は、 と の重ね合わせで書けた(フーリエ級数)。
この場合、基底は無限個ある。 つまり、音の空間は無限次元だ。
だから、音は色より"豊か"である。 つの基本音を混ぜても、すべての音は作れない。
(色の場合は、 つの光を混ぜればすべての色が作れてしまう。)
さて、量子力学では、状態がベクトルとして表される。
電子のスピンは、 次元。
「上向き」と「下向き」の つの基底で、すべての状態が書ける。
そして、 と が「重ね合わせ」の係数になる。
量子コンピュータの ビット(量子ビット)は、この 次元ベクトルだ。
個の量子ビットなら、 次元。
個の量子ビットで、 次元 — 宇宙の全原子の数( 個)を、はるかに超える。
この途方もない次元の広さが、量子コンピュータの力の源である。
「基底の 次結合で、すべてを表す」
という、素朴な分解。
その考え方が、色を作り、音を分解し、量子の世界を記述している。
別解
基本ベクトルで分解して、和の意味を確かめる。
空間には、 本の"ものさし"がある。
それぞれ、 軸、 軸、 軸の正の向きを指す、大きさ のベクトルだ。
基本ベクトルと呼ばれる。
どんなベクトルも、この 本の組み合わせで書ける。
「 方向に 、 方向に 、 方向に 」 — 成分の意味が、そのまま式になっている。
同様に
この つを足そう。
✓
「同類項をまとめる」だけの計算だ。
文字式の計算と、まったく同じ。
、、 を 、、 という文字だと思えば、ベクトルの計算は文字式の計算そのものになる。
なぜ、同類項どうししかまとめられないのか。
と は、方向が違う。 混ぜることができない。
「東へ 」と「北へ 」を足しても、「」にはならない。 方向が違うからだ。
この「混ざらない」という性質を、 次独立という。
本の基本ベクトルは、互いに独立で、しかも空間全体を覆う。
このような組を、基底という。
次元空間の基底は、必ず 本のベクトルからなる。 本では足りない( 枚の平面しか覆えない)。 本では多すぎる( 本は他の 本で書けてしまう)。
「次元 基底の本数」
これが、次元という言葉の、数学的な定義である。
次元空間とは、「 本の独立なベクトルで、すべてを表せる空間」のことなのだ。
ポイント
- 和は成分ごとに足す( 成分)。
- 平面ベクトルと同じ要領。
よくある間違い
- 成分を足し忘れて、 成分だけ答えてしまう。空間ベクトルは 成分すべてを書く
- 成分どうしを混ぜて足してしまう( 成分と 成分を足すなど)。同じ位置の成分どうしを足す
- 和の大きさを だと思う。 は、和のベクトルの成分から計算し直す