数学C / 空間ベクトル

点と平面の距離

★★★ 応用平面距離

問題

と、原点を通り法線ベクトルが である平面との距離を求めよ。

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点と平面の距離は、点の位置ベクトルを法線方向に射影した長さ — 内積を法線の大きさで割る形で出せる。

解答・解説

方針

から平面までの距離は、 が平面から法線方向にどれだけ離れているかの長さ。 を法線 の向きに射影した長さで、 で求まる。まず「なぜこの式で距離が出るのか」を押さえるのがコツ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平面は、原点を通り法線 に垂直な「かべ」。点 からの距離は、 の向きにどれだけ離れているかで決まる。

つまり距離は、 を法線 の向きに射影した長さ だ。

「距離=法線方向への射影の長さ」という、内積(射影)を使った発想が核になる。

重要原点を通り法線 の平面と点 の距離 ( の法線方向の成分の長さ)

① まず、距離とは何かを絵で考える。 平面は原点 を通り、法線 に垂直な「かべ」。点 からこのかべまでの距離は、 の向きにどれだけ離れているか、つまり の向きへ射影した長さだ。

nP(1,2,3)HO
点 P(1,2,3) と 法線 n=(1,2,2) の平面(原点通過)の距離=|n·P|/|n|=11/3

② その「射影の長さ」を、内積で取り出す。 のなす角を とすると、射影の長さは 。一方、内積は 。見比べると、内積は「射影の長さ」を 倍したものだと分かる。だから内積を で割れば、射影の長さ=求める距離になる。

③ では内積を計算する。 内積は成分どうしをかけて足すだけ。 だから

で割る。 法線の大きさは 。よって

まとめ:点と平面の距離は「 を法線 の向きに射影した長さ」。内積 はその長さを 倍した値なので、 で割れば距離になる、という仕組みだ。これは平面 と点 の距離公式 と全く同じ計算になっている。

発展 — 一歩先へ。 距離の公式で絶対値を外した (この問題では )は、符号まで含めて意味を持つ。正なら は法線 が向く側、負なら反対側、 なら平面の上だ。

だから つの平面は、空間を の側と の側の つの半空間に切り分ける。いまは だから、 は法線の向く側にいると分かる。

「絶対値をとる前の値」は、距離だけでなく向き(どちら側か)も運んでいる。この符号つきの見方は、不等式の表す領域を調べるときや、線形計画法で空間を半空間へ分けるときに効いてくる。

別解

別解 — 平行な平面のものさしで測る(苦手な人向けの視覚ルート)。 の値を とすると、 を変えるごとに という平面が、もとの平面 と平行に並ぶ。等間隔にずれた「ものさしの目盛り」だ。

目盛り 増えるごとに、平面は法線方向へ ずつ進む。法線 の大きさが だからだ。

を代入すると は目盛り の平面の上にいる。求める平面は の目盛り。

目盛り 個ぶんで、 目盛りが 、というわけだ。射影で求める本解と同じ。平行な平面を「等間隔のものさし」と見ると、代入した値そのものが目盛りの番号になる。

ポイント

  • 距離 ( の法線方向の成分)。
  • 内積 (射影の長さ)なので、 で割ると距離になる。

よくある間違い

  • 内積 で割り忘れ、 をそのまま距離としてしまう。
  • の平方根を取り忘れ、 で割ってしまう。
  • 平面が原点を通る()ことを見落とし、余分な定数項をつけて分子を誤る。