数学C / 平面ベクトル

単位円上の3点の和が零ベクトルなら正三角形

最難関編対称性内積の計算

問題

原点 を中心とする半径1の円周上に3点 があり、

を満たすとする。三角形 は正三角形であることを示せ。

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1本のベクトルを残り2本で表して、大きさの2乗をとる — 単位ベクトルどうしの内積が1つ決まる。同じことを3回やれば、3辺の長さは内積からすべて計算できる。

解答・解説

方針

条件から OC=−(OA+OB) を作り、両辺の大きさを2乗すると OA·OB=−1/2 が出る。対称性から他の2組の内積も −1/2 で、辺の長さはすべて |AB|²=2−2(−1/2)=3 — 3辺が等しい。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 和の条件は、1本を孤立させると使える形になる:

両辺の大きさを2乗すると、 から が出る。

対称性から、どの2本の内積も 。すると辺の長さはすべて で等しい — 正三角形だ。

重要移項して2乗: が内積を1つ決める。単位ベクトルどうしなら

① 内積を求める。 の両辺の大きさを2乗:

② 対称性で3組とも。 条件は について対称だから、同じ計算で

③ 辺の長さを計算する。

他の2辺も同様に 。3辺がすべて で等しいから、三角形 は正三角形である(なす角はどの2本も — 3本が円を三等分している)。

xyOOAOBOC
和が零ベクトルになる単位円上の3点。3本のベクトルは互いに120°をなし、円を三等分 — 三角形は正三角形(1辺 √3)

まとめ: 「和が 」は移項して2乗で内積に翻訳する — 対称な条件は1回計算すれば全組に写る。この事実は「重心が外心に一致する三角形は正三角形」の言い換えでもあり、円に内接する正三角形の対称性そのものだ。

発展 — 一歩先へ。 単位円上の 点で和が になる配置は、 では正三角形に限るが、 では正方形以外にも無数にある(向かい合う2組の直径など)。「和が0=重心が中心」は必要条件としては常に働くが、正多角形を強制するのは の特権 — 3点の硬さ(自由度の少なさ)がこの問題の背景にある。

証明(和の条件から など、すべての辺が )

別解

重心と外心が一致する、と読む(計算のない証明)。 条件 は、割る3をすれば「三角形 ABC の重心が O」と言っている。

一方、O は円の中心だから、3頂点から等距離 — つまり O は外心でもある。

重心と外心が一致したとする。頂点 A から重心への中線は、BC の中点 M を通る。外心から BC の中点への線分は BC と垂直(垂直二等分線)。両者が同じ直線なのだから、中線 AM が BC の垂直二等分線 — よって 。同様に他の辺についても等しく、3辺がすべて等しい正三角形になる。

内積の計算(本解)は値(、辺 )まで出せる定量の道、五心の一致(本ルート)は「なぜ正三角形しかありえないか」を一言で言い切る定性の道。「重心=外心 ⟺ 正三角形」は覚えておく価値のある特徴づけだ。

ポイント

  • 移項して2乗で
  • 対称性で3組とも (なす角120°)。
  • 全辺 → 正三角形。

よくある間違い

  • を2乗するとき、 を代入し忘れて文字が残る。
  • 1組の内積 だけで「正三角形」と結論する(3辺すべてが等しいことを、対称性の一言とともに言う)。
  • 「なす角がすべて 」で止めて、辺の長さ()への翻訳を書かない(問題の要求に合わせて締める)。