数学C / 平面ベクトル
直線上の点への距離の平方和の最小
問題
2点 と、 軸上を動く点 に対し、 の最小値と、そのときの の座標を求めよ。
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2つの距離の平方の和 — 真ん中の点を持ち出すと1つの距離に束ねられる定理があった。束ねたあと、動くのは何で、最小はどこで起きるか。
解答・解説
方針
PA²+PB² は中点 M を仲介すると 2PM²+AB²/2 に変わる(中線定理)。AB²/2 は定数なので、最小化は「PM の最小化」= M から x 軸への垂線の足、に置き換わる。座標で置いて平方完成しても同じ答えに着地する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 という対称な量は、中点 M を仲介すると構造が見える。中線定理で
は定数。だから最小化の相手は だけ、つまり「 軸上の点 P と定点 M の距離の最小化」に置き換わる。
答えは M から 軸に下ろした垂線の足。2点への距離の平方和が、1点への距離に化ける — この翻訳が急所だ。
① 中線定理で束ねる。 は の中点 、。よって
② を最小化する。 は 軸上を動くから、 が最小になるのは から 軸へ下ろした垂線の足 のとき。最小値は 。
③ 最小値。
(検算: で直接計算すると 、、和は ✓。座標のまま平方完成しても で最小 になる。)
まとめ: 「平方和は中点で束ねる」— 中線定理を計算道具として使うと、2点への最小化が1点への最小化(=垂線の足)に退化する。恒等式は証明のためだけでなく、問題を運ぶ乗り物として使えることの好例だ。
発展 — 一歩先へ。 点の数を増やしても同じ構造が働く。 点 への距離の平方和は、重心 G を使って と分解でき、直線上での最小化は「重心の射影」で決まる。本問の M は2点の重心にほかならない。統計の「偏差平方和は平均のまわりで最小」と同じ式が、幾何では重心の言葉で現れる。
最小値 ( のとき)
別解
座標で平方完成(構造を知らなくても届く)。 とおいて直接計算する。
で最小値 。。3行で終わる。
中線定理(本解)は、この平方完成の「」の正体が の変動部分、「」の内訳が ( までの最短距離の2乗の2倍+)であることを教えてくれる。
最小点 が A, B の中点 の真下(= 軸への正射影)である、という図形の答えを先に予想してから計算で確かめる、という順番でも戦える。
ポイント
- 中線定理で 。
- 最小は垂線の足 、。
- 最小値 (直接計算・平方完成とも一致)。
よくある間違い
- 中線定理の定数項 を とする(2で割るのを忘れる)。
- 最小点を「A, B の中点そのもの」と誤る(P は 軸上の制約つき。中点の射影が答え)。
- 平方完成 の定数項の検算( 代入)を飛ばす。