数学C / 平面ベクトル
内積が等しい点は垂心
問題
三角形 と点 が
を満たすとする。
(1) は三角形 の垂心であることを示せ。
(2) のとき、この条件を満たす点 の座標を求めよ。
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3つの量が等しい、という条件は「差が0」を2回使うのと同じ。 を共通因数でくくると、どんな垂直が見えるか。
解答・解説
方針
(1) 等式の差をとる: PA·PB−PB·PC=PB·(PA−PC)=PB·CA — 第1の等号が「PB⊥CA」を言っている。3つの等号から2組の垂直が出て P は垂心。(2)は垂心を座標で: BC が x 軸なので A からの高さは x=0、B からの高さと連立する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 3つの量が等しい、という条件は差をとると使いやすい。第1の等号から
つまり「」— 等式の差が、そのまま垂直を言っている。
残りの等号からもう1組の垂直が出て、P は2本の高さの交点、すなわち垂心だ。(2)は具体的な座標で、垂心を高さの交点として計算すればよい。
① (1) を示す。 第1の等号から
第2の等号から同様に
は「 を通る への垂線」と「 を通る への垂線」の交点 — すなわち垂心である(第3の等号は残りの垂直 を与え、整合する)。
② (2) 座標で求める。 は 軸上にあるから、 を通る高さは直線 。 を通り に垂直な高さ: だから方向 の直線 。 より 、。
③ 検算。 :
たしかに3つとも等しい。
まとめ: 「等しい」は「差が0」— 内積の差をくくると垂直が現れる、という変形1つで、見慣れない条件が垂心の正体を明かす。逆に垂心ならこの3内積が等しいことも同じ計算で出る(同値な特徴づけ)。
発展 — 一歩先へ。 3つの内積の共通の値 自体にも意味がある。 は(2)の垂心で計算でき、鋭角三角形なら負になる(垂心から見て各頂点対が鈍角に見える)。また、この等式条件は「P を原点にとると 」— 垂心を原点に選ぶと計算が対称できれいになる、という垂心座標系の入り口でもある。
(1) 差をとると など(証明) (2)
別解
(2)を定理なしで解く(差の方程式は1次になる)。 (1)の「垂心」に気づかなくても、(2)は条件式をそのまま連立すれば解ける。 とおくと、3つの内積はどれも の2次式だ。
だが等式の差をとると、共通の の項が相殺して1次方程式に落ちる:
- から(計算すると)、すなわち …と整理でき、
- もう1組の差からも1次方程式が出る。
2本の1次方程式の連立で — 本解と同じ答えに着く。
「2次の条件の差は1次(円の根軸と同じ現象)」という構造は、この形の連立でいつも使える省力化だ。もっとも、(1)を経由して「A からの高さは 」と読む本解のほうが計算は軽い — 定理は近道、連立は保険、と両方持っておきたい。
ポイント
- 差をくくって 、。
- 2本の高さの交点 = 垂心。
- (2) 、3内積はすべて 。
よくある間違い
- (1)で3つの等式から3組の垂直をすべて示そうとして冗長になる(2組で垂心は確定。3つ目は自動)。
- 差をとるときの引き算の向きを混乱し、 を とする(垂直の結論は同じだが、論理の筋は明示する)。
- (2)で A からの高さが ( 軸)であることを見落とし、3本とも計算して時間を失う(BC が 軸なので高さは垂直)。