数学C / 平面ベクトル
内積を用いた垂直の証明
問題
のとき、 と が垂直であることを示せ。
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を展開してみよう — 数の和と差の積と同じ形の展開が、ベクトルでも成り立つ。条件を使うと何が起きるか。
解答・解説
方針
を展開する。。 ならこれが になり、垂直が言える。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「垂直を示せ」— ベクトルの垂直証明は内積が を言えばよい。
(和と差の積 — のベクトル版だ。)
仮定 より右辺は 。内積 、よって垂直。ただし 、 の断り(零ベクトルに垂直は定義されない)を添えると完全である。
① 内積を展開する。 のベクトル版。
(内積は交換法則 が成り立つので、中の 項が打ち消し合う。)
② 条件を使う。 より 。
内積が なので と は垂直。
まとめ:垂直の証明は「内積 を示す」。 は のベクトル版。これは「ひし形の対角線が直交する」ことの証明でもある( は隣り合う辺が等しい = ひし形)。
発展 — 一歩先へ。 同じ配置で有名な定理がもうひとつ出る。 を「円の半径」と読むと、 と の直交は「直径に対する円周角は直角」(タレスの定理)の証明になる — 円周上の点 、直径の両端 に対し、 がちょうど 、 型になるからだ。
「図形の定理を、内積の展開で機械的に示す」— 中線定理・重心の性質・垂心の存在など、初等幾何の名定理の多くがこの手法で数行に落ちる。ベクトルは幾何の「計算機」である。
内積 (a+b)·(a-b)=|a|²-|b|²=0 なので垂直
別解
この命題、絵に描くと中学校で習った定理だと分かる。
と を隣り合う 辺とする平行四辺形を描く。すると
- は、平行四辺形の対角線( 本目)
- は、もう 本の対角線( の先端から の先端へ)
仮定 は「隣り合う辺の長さが等しい」— つまりこの平行四辺形はひし形だ。
命題の主張は「ひし形の対角線は直交する」— 対角線を折り目に折るとぴったり重なる、あの見慣れた事実である。
つまり本解の内積計算は、中学幾何の定理のベクトルによる再証明だった。逆向きの読みも成り立つ: という恒等式は、「対角線が直交 ⟺ ひし形()」の両方向を一度に含んでいる。展開 行が幾何の定理と同値 — ベクトルの証明力の見本のような問題だ。
ポイント
- 垂直の証明 = 内積 を示す。
- 。
よくある間違い
- 展開の中間項 が消えること(内積の交換法則)を断らず飛ばす
- を と誤読する(大きさが等しいだけで向きは自由)
- 等の断り(零ベクトルの除外)を落とす