数学C / 平面ベクトル

ベクトルの大きさの最小

★★ 標準内積最小

問題

とする。 が実数全体を動くとき、 を最小にする の値を求めよ。

ヒントを見る

を内積で展開すると 次関数になる。あとは頂点の を求めるだけ — ベクトルの問題が 次関数の問題に化ける。

解答・解説

方針

を展開すると 次関数になる。。平方完成して最小の を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 が動くときの — 展開すると 次関数になる。

(。)

下に凸の放物線だから、頂点で最小。平方完成(または頂点の公式 )で 。「ベクトルの大きさの最小 次関数の頂点」という、数Iへの橋渡しの型だ。

重要( 次関数)

① 各量を求める。

次関数にする。

③ 平方完成して最小を求める。

よって で最小。

xyOa (t=0)最小
点は直線 a+tb 上を動く。|a+tb| 最小は O からの垂線の足(t=−3/2)

まとめ: は展開すると 次関数。平方完成で最小の が出る。このとき 垂直になる(最短距離の垂線)というのが幾何的な意味だ。

発展 — 一歩先へ。 最小を与える は、 方向への正射影(影)と呼ばれる重要な量。「 方向成分と垂直成分に分ける」操作で、最小値 は垂直成分の長さの 乗にあたる。

この分解は、データの近似(最小二乗法)・物理の力の分解・大学の直交射影まで一直線につながる。「 次関数の最小」という顔で現れたこの問題の正体は、線形代数の中心概念の入り口である。

別解

この最小化には、計算より速い幾何の絵がある。

は、 を動かすと「点 を通り、方向 直線」の上を動く点だ(直線のベクトル方程式そのもの)。 は原点からその点までの距離。

原点から直線への距離が最小になるのは、垂線の足 — つまり最小の瞬間、ベクトル は直線の方向 と垂直になっている。

展開も平方完成もなしで、 次方程式 本。

次関数の頂点(代数)と垂線の足(幾何)が同じ を指す — 平方完成の頂点の式 が、垂直条件そのものだったという種明かしである。この垂直の目は「点と直線の距離」「正射影」へ直結する、この単元の要の視点だ。

ポイント

  • 次関数。
  • 最小のとき

よくある間違い

  • 展開の中間項の係数を のまま( 倍せず)にする
  • の係数を ( 乗し忘れ)とする
  • 最小にする と最小値()を取り違えて答える(問いは )