数学C / 平面ベクトル
ベクトルの大きさの最小
問題
、 とする。 が実数全体を動くとき、 を最小にする の値を求めよ。
ヒントを見る
を内積で展開すると の 次関数になる。あとは頂点の を求めるだけ — ベクトルの問題が 次関数の問題に化ける。
解答・解説
方針
を展開すると の 次関数になる。。平方完成して最小の を求める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 が動くときの — 展開すると の 次関数になる。
(、、。)
下に凸の放物線だから、頂点で最小。平方完成(または頂点の公式 )で 。「ベクトルの大きさの最小 次関数の頂点」という、数Iへの橋渡しの型だ。
① 各量を求める。 、、。
② の 次関数にする。
③ 平方完成して最小を求める。
よって で最小。
まとめ: は展開すると の 次関数。平方完成で最小の が出る。このとき は に垂直になる(最短距離の垂線)というのが幾何的な意味だ。
発展 — 一歩先へ。 最小を与える は、 の 方向への正射影(影)と呼ばれる重要な量。「 を 方向成分と垂直成分に分ける」操作で、最小値 は垂直成分の長さの 乗にあたる。
この分解は、データの近似(最小二乗法)・物理の力の分解・大学の直交射影まで一直線につながる。「 次関数の最小」という顔で現れたこの問題の正体は、線形代数の中心概念の入り口である。
別解
この最小化には、計算より速い幾何の絵がある。
は、 を動かすと「点 を通り、方向 の直線」の上を動く点だ(直線のベクトル方程式そのもの)。 は原点からその点までの距離。
原点から直線への距離が最小になるのは、垂線の足 — つまり最小の瞬間、ベクトル は直線の方向 と垂直になっている。
展開も平方完成もなしで、 次方程式 本。
次関数の頂点(代数)と垂線の足(幾何)が同じ を指す — 平方完成の頂点の式 が、垂直条件そのものだったという種明かしである。この垂直の目は「点と直線の距離」「正射影」へ直結する、この単元の要の視点だ。
ポイント
- は の 次関数。
- 最小のとき 。
よくある間違い
- 展開の中間項の係数を のまま( 倍せず)にする
- の係数を ( 乗し忘れ)とする
- 最小にする と最小値()を取り違えて答える(問いは )