数学C / 平面ベクトル

三角形の内心の位置ベクトル

実戦編平面ベクトル幾何内心角の二等分線単元横断

問題

三角形 の内心 の位置ベクトルは、 辺の長さ を用いて と表されることを示せ。

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の二等分線は に内分する点 を通る。内心はその上にあり、 もまた二等分線の性質(三角形 で)で分かる。

解答・解説

方針

角の二等分線の性質(対辺を隣の 辺の比に内分)を 回使う。まず の二等分線と の交点 、次に内心 を分ける比を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 内心 は、 つの内角の二等分線の交点。だから「角の二等分線が対辺を分ける比」を使えば、位置ベクトルが計算できる。

の二等分線は、辺 を隣り合う 辺の比 に内分する点 を通る。まず の位置ベクトルを出す。

次に、内心 が線分 を分ける比 (これも角 の二等分線から出る)を使う。 段の内分を合成すると、 辺の長さで重みづけた対称な形になる。

xyOIABCD
内心 I=(aA+bB+cC)/(a+b+c)。角Aの二等分線ADと内接円
定理角の二等分線は対辺を隣り合う 辺の比に内分する。角 の二等分線は に内分

① 二等分線と の交点 の二等分線は に内分する。よって ② 内心が を分ける比。 内心 は三角形 で角 の二等分線上にもある。角 の二等分線は に内分する。( の内分比より)、 だから ③ 合成する。 に内分するから

まとめ 角の二等分線の内分性質を 段使い、交点 と内分比 を合成すると、内心は 辺の長さで重みづけた 。重心()の“辺の長さ重み版”。ベクトル(内分)と幾何の融合。

発展 — 一歩先へ。 重み(重心座標)を変えると別の中心が出る。重み が内心、 が重心、 が垂心、 が外心。三角形の“中心”はどれも「 頂点の重みつき平均」で書け、重みの選び方で性格が決まる。三角形の中心は無数にあり(現在1万種以上が登録)、その分類学の入り口がこの重心座標だ。

の二等分線は辺 に内分する点 を通り、内心はその二等分線を に内分。順に位置ベクトルを計算すると

別解

別解 — 内心が「 辺から等距離」であることから逆算(得意な人向けの高い視点)。 内心 の定義は「 辺までの距離がすべて等しい( 内接円の半径 )点」。この見方で重み の意味が分かる。

三角形 を、内心 と各辺で作る つの小三角形 に分ける。それぞれの底辺は 、高さはすべて 。だから面積は で、比は

「内部の点を、向かい合う小三角形の面積で重みづけると、その点自身が復元される」(重心座標の原理)。内心の重みは小三角形の面積比 だから

角の二等分線を2回使う(本解)代わりに、「 辺から等距離 → 小三角形の面積比 」と読むと、重みの正体が面積として見える。

ポイント

  • 角の二等分線は対辺を隣り合う 辺の比に内分。
  • 交点 に内分、 に内分。
  • 合成して

よくある間違い

  • 角の二等分線が対辺を分ける比を で取り違える( の二等分線は に内分)。
  • 内心 を分ける比 の向き(どちらが 側か)を誤る。
  • 重み の対応を間違える(頂点 の重みは向かいの辺 )。