数学C / 平面ベクトル

三角形の重心

★ 基礎位置ベクトル重心

問題

を頂点とする三角形の重心 の座標を求めよ。

ヒントを見る

重心は 頂点の座標の平均。 どうし・ どうしで平均をとる。

解答・解説

方針

三角形の重心は 頂点の位置ベクトルの平均。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角形の重心は、 頂点の平均だ。

座標を、そのまま平均するだけ。

内分点の公式のような"ねじれ"はない。 ただの平均である。

なぜ、平均でよいのか。

重心とは、 頂点に同じ重さのおもりを置いたときの、釣り合いの点だ。

重さが等しいのだから、重みも等しい。 つまり、単純平均になる。

「等しい重み 単純平均」

内分点(重みが違う)と、重心(重みが同じ)。 その違いを意識しておこう。

公式三角形の重心 ( 頂点の平均)

xyOABCG
三角形の重心 G=(2,2)(3頂点の座標の平均)

まとめ:重心は「 頂点の座標の平均」。 座標の平均、 座標の平均をとるだけ。。ベクトルで書くと と美しい。

発展 — 一歩先へ。 三角形には、重心のほかにも「中心」がある。それも つ以上。

五心と呼ばれる。

① 重心 中線の交点。 頂点の平均。

② 外心 辺の垂直二等分線の交点。外接円の中心( 頂点から等距離)。

③ 内心 角の二等分線の交点。内接円の中心( 辺から等距離)。

④ 垂心 頂点から対辺に下ろした垂線の交点。

⑤ 傍心 個ある(外接する円の中心)。

どれも「 本の直線が 点で交わる」という、非自明な事実に支えられている。

そして、驚くべき定理がある。

オイラー線。

「重心 、外心 、垂心 は、 直線上に並ぶ。」

しかも、その位置関係は完全に決まっている。

つまり、 に内分する。

どんな三角形でも、必ずこうなる。

この定理は、ベクトルで簡単に証明できる。

外心 を原点にとる。 すると、(外接円の半径)。

ここで、こんな点 を定義する。

この が、垂心であることを示せばよい。

内積をとる。

( つとも外接円の半径だから、等しい。)

内積が — つまり

から への垂線が引けた。 同様に他の 辺についても言えるので、 は垂心である。

そして、重心は

オイラー線の証明が、 行で終わった。

初等幾何でやろうとすると、何ページもかかる定理だ。

ベクトルと内積という道具が、幾何の難問を代数の計算に変えてしまう。

頂点の平均」という素朴な重心の定義。

そこから、 年の幾何学の精華が、するすると引き出せる。

別解

「重心は中線を に内分する」という定理から求める。

重心の、もう つの定義を思い出そう。

中線とは、頂点と対辺の中点を結ぶ線分。

本の中線は、 点で交わる。 その交点が重心だ。

そして、重心は各中線を、頂点から に内分する。

この定理で、実際に求めてみよう。

まず、 の中点 を計算する。

中線 を、 から に内分する。

つまり、 から へ向かって、全体の 進む。

本解と同じ ✓

念のため、別の中線でも確かめよう。

の中点

中線 を、 から に内分する。

同じ点 ✓

本の中線が、確かに で交わっている。

さて、「 に内分」という定理から、なぜ「 頂点の平均」が出るのか。

式で追ってみよう。

頂点の平均の式が導けた ✓

の内分」と「 頂点の平均」は、同じことを違う言葉で言っている。

そして、この事実こそが「 本の中線が 点で交わる」ことの証明になる。

頂点の平均 は、 について対称な式だ。

どの頂点から中線を引いても、同じ点にたどり着く。

中学では「 本の中線が 点で交わる」ことを、作図で確かめただけだった。

ベクトルを使えば、それが 行で証明できる。

対称性という視点が、証明を一瞬にする。

ポイント

  • 重心
  • それぞれの平均。

よくある間違い

  • 分母を にしてしまう。 頂点の平均なので、 で割る
  • 座標と 座標を混ぜて計算する。 どうし、 どうしで平均する
  • 重心を「 辺の中点の平均」だと思ってしまう(答えは同じになるが、定義は 頂点の平均)