数学C / 平面ベクトル

単位ベクトル

★ 基礎単位ベクトル

問題

と同じ向きの単位ベクトルを求めよ。

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単位ベクトルは『向きを変えず、長さを にした』ベクトル。長さで割ればよい — まず大きさを求める。

解答・解説

方針

単位ベクトルは「向きはそのまま、大きさを にしたもの」。 で作る。 で割る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 単位ベクトルとは、大きさが のベクトルのことだ。

向きはそのまま、長さだけを にしたい。

どうすればいいか。

自分の大きさで、割ればいい。

なぜ、これで大きさが になるのか。

cm の棒を、 で割ると cm になる」 — それと同じ理屈だ。

まず、 を計算する。

そして、各成分を で割る。

確かめよう。

大きさが になった。

「ベクトルを自分の大きさで割ると、向きはそのまま、長さが になる」 — 単位ベクトルの作り方は、これだけである。

公式 と同じ向きの単位ベクトル (大きさで割る)

① 大きさを求める。

② 大きさで割る。

xyOa=(3,4)34a/|a|
|a|=5(3-4-5)。単位ベクトル a/|a|=(3/5,4/5) は向きそのままで長さ1

まとめ:単位ベクトルは「大きさ 、向きは同じ」。作り方は元のベクトルを自分の大きさで割るだけ。 の大きさは で確かに

発展 — 一歩先へ。 「大きさで割って、 にする」— この操作は、正規化と呼ばれ、数学と工学のあらゆる場面に現れる。

: 統計の標準化。

平均を引いて中心を に、標準偏差で割って、ばらつきを にする。

「単位ベクトルを作る」のと、まったく同じ発想だ。

大きさ()で割ることで、単位のない世界へ移す。

: 確率密度関数。

関数を確率として使うには、全体の積分が でなければならない。

正規分布の式に、 という係数がついているのは、この「正規化」のためだ。

ガウス積分の値 で割って、全体を にしている。

: 量子力学の波動関数。

「粒子がどこかに存在する確率は 」という要請。

波動関数は、必ず正規化されている。

: 単位の変換。

km は m、 時間は 秒。

「単位を に揃える」ことで、異なる量が比較可能になる。

すべてに共通する思想。

「基準を にすると、比較と計算が楽になる。」

そして、この思想の究極が — 単位系そのものだ。

物理学では、「自然単位系」というものを使うことがある。

すると、アインシュタインの式は

エネルギーと質量が、同じものになる。

式から余計な定数が消え、本質だけが残る。

「基準を に選ぶ」という、ただそれだけの操作。

それが、式を美しくし、本質を露わにする。

という、なんでもない単位ベクトル。

そこには、「基準を作る」という、科学の根源的な営みが宿っている。

別解

単位ベクトルの成分は、 である。

単位ベクトルの正体を、三角比で見てみよう。

大きさ のベクトルは、原点を中心とする単位円の上にある。

単位円上の点は、角 を使って、こう書けた。

つまり、単位ベクトルは、必ずこの形をしている。

この問題の答えと、照合しよう。

だから

確かに、

この は、何度だろうか。

となる角は、約

( の直角三角形の、いちばん小さくない鋭角だ。)

この見方の御利益。

単位ベクトルは、「向きだけの情報」を担っている。

大きさを捨てて、方向だけを取り出したもの — それが単位ベクトルだ。

そして、任意のベクトルは、こう分解できる。

「大きさ 向き」 — ベクトルの つの情報が、きれいに分離された。

この分解が、実用上とても便利だ。

例: 力の分解。

の方向に、大きさ の力をかけたい」

単位ベクトルを使えば、一瞬だ。

例: ゲームのキャラクター移動。

「マウスの方向へ、一定の速さで進む」

マウス方向のベクトルを単位化し、速さを掛ける。

もし単位化を忘れると、マウスが遠いほど速く動いてしまう — よくあるバグだ。

例: 光の計算(CG)。

面の法線ベクトル(垂直な向き)は、必ず単位ベクトルにしておく。 そうすれば、光の当たり具合(内積)が、 から の範囲に収まって扱いやすい。

「向きの情報を、大きさの情報から切り離す」

このひと手間が、多くの計算を単純にする。

単位ベクトルは、方向を指し示す"矢印の標準形"なのだ。

ポイント

  • 単位ベクトル
  • 大きさ 、向きは元と同じ。

よくある間違い

  • 大きさで割るのを忘れ、 をそのまま答えてしまう。 なので、単位ベクトルではない
  • 片方の成分だけを で割る。両方の成分を、同じ で割る
  • を計算せずに、成分の和()で割ってしまう。割るのは大きさ