数学C / 平面ベクトル

垂直条件

★ 基礎垂直

問題

が垂直であるとき、定数 を求めよ。

ヒントを見る

垂直と内積の関係を思い出そう。内積を の式で書いて、垂直の条件をかければ方程式になる。

解答・解説

方針

つのベクトルが垂直 ⟺ 内積が について解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 垂直の判定には、道具が つしかない。

「垂直なら、内積がゼロ。」

なぜか。 内積の定義を思い出そう。

のとき、

だから、内積が になる。

( でなければ、逆も成り立つ。)

この問題では、内積を の式で表して、 とおく。

平行(実数倍)と、垂直(内積 )。

この つが、ベクトルの位置関係を判定する、対をなす道具である。

重要()

① 垂直条件(内積 )を書く。

② 解く。

xyOa=(2,3)b=(3,−2)
a⊥b。内積 a·b=6+3k=0 → k=−2

まとめ:垂直は「内積 」。 なので 。成分で を解く。平行(実数倍)との違いを押さえる。

発展 — 一歩先へ。 「垂直 内積 」という規則は、直交という、もっと広い概念の入り口だ。

関数どうしが「垂直」になる、と言われたら、どう思うだろうか。

意味不明に聞こえる。だが、ちゃんと定義できる。

関数の内積を、積分で定義する。

「掛けて、足す(積分する)」 — ベクトルの内積()と、同じ構造だ。

この定義のもとで、 は直交する。

内積が — つまり「垂直」である。

も、直交する。

周波数が違う波は、すべて互いに直交している。

この直交性が、フーリエ級数を可能にする。

関数を、直交する"基底"の 次結合で書く。

そして、各成分は「内積をとる」ことで取り出せる。

これは、ベクトルの成分を取り出すのと、まったく同じ操作だ。

直交する基底に、内積で射影する。

次元のベクトルでやったことが、無限次元の関数空間で、そのまま通用する。

この抽象化のご褒美は、絶大だ。

音を、周波数成分に分解できる(イコライザー、MP3)。

画像を、空間周波数に分解できる(JPEG)。

信号から、ノイズを取り除ける(フィルタリング)。

量子力学では、状態を「固有状態の重ね合わせ」として書く — これも直交基底への分解だ。

「内積 なら垂直」

この、 を求めるだけの素朴な条件。

それが、 を「垂直」と呼び、音楽を圧縮し、量子の状態を記述する言語になっている。

数学の抽象化とは、こういうことなのだ。

「垂直」という日常語を、内積 という式で捉え直す。

すると、矢印でないものにも、「垂直」という概念が使えるようになる。

別解

中学で習った「傾きの積が 」で解く。

ベクトルを、直線の方向として見よう。

は、「右に 、上に 」の方向。 傾きは

の傾きは

直線が垂直になる条件を、中学で習った。

当てはめる。

本解と同じ答え ✓

では、「傾きの積が 」と「内積が 」は、どういう関係にあるのか。

同じことを言っている。

内積の条件を書き下す。

両辺を で割る( とする)。

左辺は、まさに「傾きの積」だ!

内積 の条件から、中学の公式が導けた。

では、なぜベクトルでは「内積 」を使うのか。傾きで十分では?

理由 : 縦の直線が扱える。

(真上向き)の傾きは、定義できない

傾きの公式は、垂直な直線で破綻する。

だが内積なら、何の問題もない。

理由 : 次元以上でも使える。

次元に「傾き」はない。 だが内積は、そのまま使える。

理由 : 計算が単純。

分数が出てこない。 掛けて足すだけだ。

「内積 」は、傾きの公式の"上位互換"なのである。

例外がなく、次元にも縛られず、計算も楽。

中学で習った便利な公式が、高校でより強力な形に置き換わる。

これは「以前の知識が間違いだった」のではない。 より広い世界に通用する道具を、手に入れたということだ。

数学の学びは、いつもこうして拡張されていく。

ポイント

  • 垂直
  • が根拠。

よくある間違い

  • 垂直の条件を「実数倍」としてしまう。実数倍は平行の条件で、垂直は内積
  • 内積 を解くとき、 と符号を誤り、 としてしまう。 から
  • 内積を計算するとき、成分を交差させて としてしまう。同じ成分どうしを掛ける