数学C / 平面ベクトル

ベクトルの和

★ 基礎ベクトルの和

問題

のとき、 を求めよ。

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ベクトルの足し算は、成分ごとに足すだけ。

解答・解説

方針

ベクトルの和は成分ごとに足す。。図では の終点から をつなぐ(または平行四辺形の対角線)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ベクトルの和は、成分ごとに足すだけだ。

成分どうし、 成分どうしを、それぞれ独立に足す。

横の動きと縦の動きは、互いに干渉しない。

この計算が、図では何を意味するのか。

つの見方がある。

① 継ぎ足し(三角形則)

の終点に、 の始点をつなぐ。 出発点から最終地点への矢印が、和である。

「右に 、上に 進んでから、右に 、下に 進む」 → 結局「右に 、上に

② 平行四辺形則

を、同じ点から出る 辺として平行四辺形を作る。 その対角線が和になる。

どちらの見方でも、答えは同じ。

「成分では独立に足す。図では継ぎ足す。」 この つを結びつけておこう。

公式ベクトルの和 (成分ごとに足す)

xyOaba+b
a=(1,2), b=(3,-1)。a+b=(4,1)(a の終点から b をつなぐ)

まとめ:ベクトルの和は成分ごとに足すだけ。図で見ると、 の終点に をつなぐと の終点にたどりつく(または つを 辺とする平行四辺形の対角線)。

発展 — 一歩先へ。 ベクトルの和は「移動の合成」だった。この考え方は、物理のあらゆる場面で使われる。

力の合成。

物体に、 つの力が同時にはたらいている。

物体は、どちらに動くか。

答えは、和のベクトル の向き。

つの力は、まるで つの力( 合力)がはたらいているのと同じ効果をもつ。

この事実を、力の平行四辺形則という。

当たり前に見えるだろうか。 だが、これは実験的に確かめられた物理法則なのだ。

数学的な必然ではない。 「世界がそうなっている」ことを、ニュートンたちが発見した。

同じ合成が、速度でも起こる。

川を渡る船を考えよう。

船の速度(静水中): — 真北へ、速さ

川の流れ: — 東へ、速さ

実際の船の動きは、和のベクトル。

船は、北東方向へ、速さ で進む。

「まっすぐ北を向いているのに、東へ流される」 — 川を泳いだことがあれば、体で知っている現象だ。

この計算ができると、実用的な問題が解ける。

「川の流れが東へ のとき、真北に着くには、どちらを向いて漕げばよいか?」

求める船の速度を とすると、和が真北になればよい。

つまり、西へ の成分をもつように、やや西向きに漕ぐ

流れに逆らって、あらかじめ上流を向く。

船乗りが経験的に知っていたこの技術が、ベクトルの引き算で説明できる。

そして、この「合成と分解」は、あらゆる工学の基礎になっている。

  • 飛行機: 推力・揚力・重力・抗力の つのベクトルの釣り合い
  • 建築: 建物にかかる力の分解(垂直方向・水平方向)
  • ロボット: 関節の動きを合成して、手先の位置を制御

「ばらばらの量を、独立した成分に分けて、それぞれ足す」

この単純なルールが、世界を設計する言語になっている。

別解

ベクトルの和を、「移動の合成」として体感する。

ベクトルを「移動の指示」だと思ってみよう。

この つの移動を、続けて行う。

まず、東へ 、北へ 出発点から見て、 の位置にいる。

次に、東へ 、南へ そこからさらに動く。

最終的な位置は?

  • 東西方向: (東へ )
  • 南北方向: (北へ )

本解と同じ ✓

この見方で、大事なことが つ分かる。

① 順番を入れかえてもいい。

先に ( 南)、次に ( 北)と動いても、

同じ地点 に着く。

移動は、順番を入れかえても結果が同じ。 これが交換法則の正体だ。

(図で言えば、平行四辺形の 通りの辿り方。)

② 「東西」と「南北」は、混ざらない。

どれだけ東へ動いても、北への移動量は変わらない。

この独立性が、「成分ごとに計算する」ことの根拠になっている。

さて、大きさについて確かめておこう。

足したベクトルの大きさ()は、 つの大きさの和()より小さい。

これを三角不等式という。

理由は明快だ。

「まっすぐ行く距離()は、遠回りする距離()以下」

寄り道するより、直行するほうが短い。 当たり前だ。

等号が成り立つのは、 が同じ向きのとき。 寄り道が寄り道になっていない場合だ。

「三角形の 辺の和は、残りの 辺より大きい」

中学の図形で習ったこの定理が、ベクトルの世界でそのまま生きている。

ポイント

  • 図では終点をつなぐ(平行四辺形の対角線)。

よくある間違い

  • 成分で とすべきところを、マイナスを見落として としてしまう
  • 成分と 成分を混ぜて足してしまう。成分ごとに、独立して計算する
  • 和の大きさを だと思い込む。 は、和のベクトルの成分から計算し直す