数学C / 複素数平面

円を楕円にうつす変換 z+1/z

最難関編軌跡極形式

問題

が円 上を動くとき、 が描く図形を求めよ。また、 の最大値と最小値を求めよ。

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極形式で をおくと、 の実部・虚部はどうなるか。足したときに cos と sin の係数がずれる — その媒介変数表示が表す曲線は何だったか。

解答・解説

方針

z=2(cosθ+isinθ) と極形式でおくと 1/z=(1/2)(cosθ−isinθ) — 足すと実部と虚部で係数が変わり、w=(5/2)cosθ+(3/2)isinθ。これは楕円の媒介変数表示。|w|² は cos²θ の1次式になり、最大最小は軸の端で起きる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 円周上の 極形式が便利: とおくと

(逆数は「絶対値が逆数、偏角が符号反転」。)足すと実部と虚部で係数の増減が逆になり

これは楕円の媒介変数表示そのもの。 の最大最小は、 の1次式になることから、軸の端で決まる。

公式 のとき は楕円

① 媒介変数表示を作る。

② 曲線を特定する。 から を消去して

— 長半径 (実軸方向)、短半径 の楕円全体( が1周すると楕円も1周)。

xyO5/23i/2
円 |z|=2(破線)が w=z+1/z で楕円(青、半長軸 5/2・半短軸 3/2)にうつる。|w| の最大は実軸の端(±5/2)、最小は虚軸の端(±3i/2)

の最大最小。

より 。よって最大値 ()、最小値 ()。

まとめ: は「半径 の円 → 半長軸 ・半短軸 の楕円」— では楕円が潰れて実軸の線分 になる(基準の応用問題でおなじみの範囲)。円の半径を動かすと楕円の一族が生まれる、変換の観点で眺めておきたい。

発展 — 一歩先へ。 円の半径 を一般にすると、 の像は長半径 ・短半径 の楕円で、 から焦点はいつも (共焦点の楕円の族)。 では線分 につぶれる。この写像(ジューコフスキー変換)は、円を翼の断面に移す変換として航空力学の古典になっている。

楕円 の最大値 、最小値

別解

共役で を直接計算する(楕円を経由しない最大最小)。 だけが目的なら、共役の展開で一気に出る。

より最初の2項は 。残りは とその共役の和で 。よって

最大は 、最小は の最大 ・最小 が、楕円を描かずに読めた(最大は実軸上 、最小は虚軸上)。

媒介変数表示(本解)は「図形の正体(楕円)」まで教える完全版、共役の直接計算は「大きさだけ欲しい」ときの最短路。目的に応じて武器を選べるようになると強い。

ポイント

  • で係数がずれる。
  • → 楕円。
  • → 最大 ・最小

よくある間違い

  • とする(偏角の符号反転を忘れる)。
  • 実部と虚部の係数()を取り違えて楕円の長短軸が逆になる。
  • の最大最小を「 の最大」など座標の一方だけで判断する( の式にして比べる)。