数学C / 複素数平面

縮小回転が描く螺旋の全長

最難関編点列無限等比級数

問題

()で点列を定める。折れ線 の長さの総和(無限和)を求めよ。

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各辺の長さを と「共通の因子」の積に分けられないか — でくくると見える。辺長が等比だと分かれば、あとは級数の和と有理化だけ。

解答・解説

方針

掛ける数 q=(1+i)/2 は「1/√2 倍して45°回転」。辺の長さは |z_{n+1}−z_n|=|z_n||q−1| で、|z_n|=|q|ⁿ が等比だから辺長も等比数列(公比 1/√2)— 総和は無限等比級数。有理化で √2+1 に畳む。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 掛ける数 の正体を先に見る: 、偏角 — 「 倍して 回る」縮小回転だ。点列は原点へ渦を巻いて落ちていく。

折れ線の各辺の長さは

は等比数列だから、辺の長さも等比数列(公比 )。総和は無限等比級数で閉じる。

公式(くくり出し)。無限等比級数: 初項 ・公比 ()の和は

① 部品を測る。

だから — 螺旋は原点に収束する。

② 辺の長さの等比性。

初項 、公比 の等比数列。

xyOz₀=1z₁
点列 1, (1+i)/2, i/2, … が原点へ渦巻く螺旋。各辺は1本前の 1/√2 倍で、全長は √2+1 に収束する

③ 総和。

まとめ: 「縮小回転の点列 → 辺長の等比 → 無限級数」。無限に折れ曲がり無限に回転する螺旋の全長が、有限の にきっちり収まる — 等比のちからと、最後の有理化の1手までが見どころだ。

発展 — 一歩先へ。 この螺旋は「対数螺旋」の離散版で、どの1歩も前の1歩と同じ角度・同じ縮小率 — だから全体と部分が相似になる。自己相似の方程式 は、コッホ曲線など、フラクタルの長さ・面積の計算の基本形。オウムガイの殻や台風の渦がこの形になるのは、「成長のルールが場所によらず一定」という同じ理由による。

別解

自己相似で方程式を立てる(等比級数の公式を使わない)。 この螺旋には、みごとな自己相似がある。折れ線全体を 倍すると、最初の1辺を除いた残りの折れ線にぴったり重なる( たちが たちに移るから)。

倍は長さを 倍にするので、全長 について

最初の辺は 。方程式を解いて

等比級数の公式(本解)は項別の足し算、自己相似は「全体=1辺+縮小コピー」という構造の方程式。フラクタル図形(コッホ曲線など)の長さの計算と同じ発想で、無限の和が1本の1次方程式に化ける快感がある。

ポイント

  • : 倍+45°回転。
  • 辺長 (等比)。
  • 総和

よくある間違い

  • 辺の長さの公比を と混同する(公比は は初項の側に入る)。
  • 無限等比級数の収束条件 への言及を落とす。
  • の有理化を焦って と逆数にしてしまう(答えは 。分母分子に を掛けてから共役)。