数学C / 複素数平面
2つの回転の合成
問題
複素数平面上で、原点を中心とする の回転を 、点 を中心とする の回転を とする(いずれも反時計回り)。
(1) 合成変換( を行ってから を行う)は、ある点を中心とする の回転であることを示せ。
(2) その中心を表す複素数を求めよ。
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回転を「1次式」として書くと、合成は代入1回。 の係数に何が起きるか — それが角の正体。中心は「合成で動かない点」として方程式を立てる。
解答・解説
方針
回転は z → ρ(z−c)+c(ρ=cos60°+isin60°)という1次式。合成すると z の係数は ρ·ρ=ρ² — 角は足されて120°。中心は不動点方程式 c=ρ²c+(定数)を解けば出る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 回転は複素数では1次式だ: 中心 、角 の回転は ()。
1次式と1次式の合成はまた1次式で、 の係数は回転因子の積 。角がちょうど足されて になる。
係数の絶対値が1(回転因子)である1次変換は、必ずどこかを中心とする回転。その中心は不動点 — を解けば求まる。
① 合成を計算する((1))。 とおくと 、。合成は
の係数 は絶対値1・偏角 — よってこの変換は( の係数が1でないので平行移動ではなく)ある点を中心とする の回転である。
② 中心 = 不動点((2))。 中心 は を満たすから
③ 値を計算する。 だから
(実部 — 2つの中心 の垂直二等分線上にあり、実軸の下側 の方向。検算として を代入で確かめられる。)
まとめ: 「回転 = 1次式、合成 = 係数の積(角の和)+ 不動点」— 変換の合成が複素数では掛け算と1次方程式に化ける。 と の中心が のとき、新しい中心が2点から等距離のところに現れる幾何も、式 が語っている。
発展 — 一歩先へ。 角の和が の倍数になる合成(たとえば や )では、 の係数が になって回転でなく平行移動が現れる(不動点が存在しない)。「回転の群」の中で平行移動が生まれる瞬間で、点対称2回=平行移動、という中学以来の事実もこの式 の特別な場合だ。
(1) 1次式の合成で回転係数が (証明) (2)
別解
幾何の構成で中心を言い当てる(回転合成の作図)。 回転の合成の中心は、作図で先に求まる。
角 の回転(中心 )に続けて角 の回転(中心 )を行うと、合成は角 の回転になり、その中心 P は線分 を底辺に、底角 ( 側)と ( 側)の三角形の頂点にある(回転の向きの側に注意)。
本問は だから底角は 。中心 と を結ぶ線分の(回転の向きから)下側に、底角 の二等辺三角形を建てると、頂点は
(高さは 。)不動点方程式(本解)の解と一致する。
1次式の合成(本解)は角の加法と中心を代数で一括処理する万能の道。作図は「中心がどこに生まれるか」を目で先に教えてくれる。両方持つと、答えの検算が互いにできる。
ポイント
- — 角は足されて120°。
- 不動点 。
- (実部 、2中心から等距離)。
よくある間違い
- 回転の式を と書いてしまう(中心 の回転は 。中心を引いて回して戻す)。
- 合成の順序を逆にする( してから は 。1次式の代入順で中心が変わる)。
- 不動点方程式 を解くとき、 で割る計算()を焦って誤る。