数学C / 複素数平面
単位円を直線にうつす変換
問題
が単位円 上を動くとき()、 が描く図形を求めよ。
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「実部が0」を共役を使った等式で書くと計算が進む。 を通分したとき、分子に条件 がそのまま効く形が現れないか。出てきた直線の「全部」に届くかの確認も忘れずに。
解答・解説
方針
「純虚数 ⟺ w+w̄=0」を合言葉に w+w̄ を通分して計算する — 分子に 1−zz̄ が現れ、|z|=1 で消える。逆に虚軸のどの点 w にも、z=(w−1)/(w+1) が単位円上にあることを確かめて、軌跡が虚軸「全体」であることまで言い切る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「描く図形が虚軸(直線)らしい」と当たりをつけたら、合言葉は「純虚数 ⟺ 」。
を通分して計算すると、分子に が現れる。 のとき、これはちょうど — つまり はつねに純虚数だ。
軌跡の答案はもう一歩ある。「虚軸のどの点にも対応する がある」ことの確認(逆向き)だ。 について解いた が単位円上にあることを見て、初めて「虚軸全体」と言い切れる。
① を計算する。 だから、通分して
(分子の の1次の項は打ち消し合う。) なら分子は0 — は虚軸上にある。
② 届くこと(逆向き)。 任意の純虚数 ( は実数)に対し、 を について解くと 。このとき
で、たしかに単位円上( も確認できる)。 も で実現する。
③ 結論。 軌跡は虚軸全体である。なお は にうつる — この変換の「動かない点」だ。
まとめ: 1次の分数の式は円を直線に(直線を円に)うつす — その判定は の計算1本で済む。「乗る」(必要)と「届く」(十分)の2方向を書いて初めて『図形を求めよ』への完答になる。
発展 — 一歩先へ。 のような1次分数変換は、「円と直線をまとめて円とみなす」と、円を必ず円に移す(直線は半径無限大の円)。単位円が虚軸に、円の内部が左半平面に移る — この対応は電気工学のスミスチャート(インピーダンスの図)として実用されている。分母の零点 が「無限遠へ飛ぶ点」で、そこが直線化の源だ。
虚軸全体(直線 )
別解
タレスの定理で図形的に(計算1行)。 、 に注目する。つまり
分数 の偏角は、「点 から を見る方向」と「点 から を見る方向」のなす角。 と は単位円の直径の両端だから、円周上の からこの2点を見込む角は直角(タレスの定理)。
偏角が の複素数は純虚数。 倍しても純虚数のままだから、 は純虚数 — 計算らしい計算をせずに結論が出た。
の通分(本解)は逆向きの確認まで一気通貫でこなせる実務の道、タレスは「なぜ虚軸なのか」を一目で見せる図の道。円周角が分数の偏角に化ける、この翻訳は複素数平面の華だ。
ポイント
- (乗る)。
- が (届く)。
- 軌跡は虚軸全体( は不動点)。
よくある間違い
- (分母が0になる点)の除外を書き忘れる。
- 「 が純虚数」を示しただけで軌跡を「虚軸」と結論する(虚軸の全体に届くこと=逆向きの確認が要る)。
- の通分で の共役の分配を誤る。