数学C / 複素数平面
単位円に内接する三角形の垂心(複素数と幾何)
問題
複素数平面上で とする(三角形の3頂点が単位円上)。このとき、三角形の垂心が で表されることを示せ。
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垂心は各頂点から対辺に下ろした垂線の交点。 と予想し、 と辺 が垂直(比が純虚数)を、 を使って示す。
解答・解説
方針
が各頂点から対辺への垂線上にあることを、 が純虚数(=直交)であることで示す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 頂点が単位円上()というのが最大のヒント。外心が原点になる、いちばん扱いやすい配置だ。
と“予想”して、それが垂心である( など)ことを確かめる。
垂直は「複素数の比が純虚数」で表せる。 が純虚数であることを、()を使って示す。
① を示す。 とおくと 。辺 は 。比を作ると これが純虚数、すなわち を示す。 より だから よって 、 は純虚数。ゆえに 。
② 他の頂点も同様。 まったく同じ計算で も純虚数。よって 、。
③ 結論。 は 頂点から対辺への垂線すべての上にあるから、三角形の垂心。したがって垂心は 。
まとめ 「垂直 比が純虚数」を使うと、 が全垂線上にあることが円上条件 から一瞬で出る。連立不要で垂心が求まる。複素数の絶対値条件と幾何の融合。
発展 — 一歩先へ。 外心を原点にとると、重心 、垂心 、九点円の中心 が、すべて頂点の和の定数倍で書ける。オイラー線上にこれらが ときれいな比で並ぶ。複素数は、三角形の五心の関係を計算だけで暴く強力な道具だ。
とおくと が純虚数(∵)なので 。同様に他の2つも垂直で、H は垂心。
別解
別解 — オイラー線(外心・重心・垂心)で一望する(得意な人向けの高い視点)。 頂点が単位円上なので、外心は原点 。重心は 。
三角形には「外心 、重心 、垂心 が一直線(オイラー線)に並び、」という定理がある。 を使うと
垂心が頂点の和になる、という本問の結論が、オイラー線の関係 と外心が原点という設定から一発で出る。
各頂点で垂直を確かめる(本解)のは定義に忠実だが、オイラー線を知っていると「外心を原点にとれば 」と暗記でき、複素数で三角形の五心を扱う際の基本形になる。
ポイント
- 外接円を単位円()にとるのがカギ。
- 垂直 比が純虚数()を使う。
- で が純虚数、H=α+β+γ は垂心。
よくある間違い
- が純虚数( 垂直)であることを、(すなわち )を使って示せない。
- 純虚数の条件()を実部 でなく別の条件と取り違える。
- 頂点で垂直を示しただけで終える( 頂点、または対称性で 本の垂線が を通ることを言う)。