数学C / 複素数平面
回転しながら縮む点列の行き先(複素数の漸化式)
問題
複素数 ()と点列 を で定める。点 が近づく点(極限)を求めよ。
ヒントを見る
変換 の動かない点(不動点) を求め、 を考えると等比数列になる。 の意味は?
解答・解説
方針
不動点 ()を引いて の等比型にする。 で に収束。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 漸化式 は、複素数版の「回転しながら縮小し、ずらす」変換。もし極限があれば、それは動かない点(不動点)。
不動点は 、すなわち 。
不動点を引くと という等比型になる。 で、 だから 、。
① 不動点を求める。 極限があるとすれば不動点 。 より 、( だから)なので ② ずれを等比数列にする。 漸化式から を引くと よって 。
③ 極限をとる。 。 より だから 。すなわち
まとめ 1次変換 の点列は、不動点 を基準にすると等比数列 。 なら渦を巻いて に収束する。複素数の漸化式・回転・極限の融合。
発展 — 一歩先へ。 は縮小(1点に収束)、 は不動点のまわりを回り続ける(収束しない)、 は発散。同じ漸化式 が、 の値だけで運命が分かれる。複数の縮小変換を組み合わせると、シダの葉やコッホ曲線のようなフラクタル(自己相似図形)が描ける — 反復関数系の理論だ。
不動点 。 で より 。
別解
別解 — 図形的に「回転縮小の中心」を見る(得意な人向けの視点)。 という変換は、複素数 を掛ける(=角 だけ回転し、 倍に縮小)して 平行移動する“相似変換”だ。 なら縮小。
縮小変換には、動かない中心(不動点)がただ つある。各点はその中心に向かって、回転しながららせん状に吸い込まれていく。だから極限は不動点 。
不動点は「変換しても動かない点」 を解いて 。
代数的に とやる(本解)のと同じだが、「縮小相似には吸い込む中心が つ」という図形のイメージをもつと、(縮小しない=中心のまわりを回り続ける)や (発散)の場合も直感的に判断できる。フラクタル(自己相似図形)を描く反復関数系の基礎でもある。
ポイント
- 変換の不動点 を基準にする。
- の等比型になる。
- より 、極限は不動点 。
よくある間違い
- 不動点 の分母を とするなど符号を誤る。
- の条件を使わず、 の根拠を示さない(収束の要)。
- 複素数の割り算 を、分母の共役を掛けて実数化する処理で誤る。