数学C / 複素数平面

正n角形の対角線の積(1のn乗根と多項式)

実戦編複素数1のn乗根多項式因数分解単元横断

問題

とし、 とする。 を示せ。

ヒントを見る

の根は すべて。 で割った式 を入れると?

解答・解説

方針

を1のn乗根で因数分解し、因子 を割った を代入する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は「 乗根を全部代入した積」の形。これは因数分解された多項式への代入で読むのが早い。

個の 乗根 を根にもつから、

の因子 を除くと 。ここに を代入すると、左辺は 、右辺は求める積。だから積は

定理( 乗根すべて)

で割る。 を分けると 一方 。両辺を で割って() を代入する。 両辺は多項式として等しいので を代入してよい。左辺は 、右辺は

xyO1ζζ²ζ³ζ⁴
例(n=5): 正五角形の頂点 1 から他の4頂点への距離の積 |1−ζ||1−ζ²||1−ζ³||1−ζ⁴| = 5。

よって

まとめ を1のn乗根で因数分解し、 を割ると 代入で 。幾何的には「正 角形の1頂点から他の全頂点への距離の積が 」を意味する。複素数・多項式・因数分解の融合。

発展 — 一歩先へ。 積が ()なのは、正 角形の 頂点から出る全対角線・辺の長さの積。この事実は「格子上の点の数え上げ」や、多項式の判別式の計算にも使われる。 なら 本の弦(長さ と…実際は 本)の積が 、と手で確かめられる。

より を代入して左辺

別解

別解 — 「正 角形の弦の積」として測る(図形で味わうルート)。 は、複素数平面で点 から点 までの距離。つまり は、単位円に内接する正 角形の 頂点から、残り 個の頂点への距離(弦)の積だ。

弦の長さは (中心角 の弦)。だから絶対値の積は

一方、積 自体は実数で正( が共役ペアで、積が正の実数になる)だから、絶対値の積と一致して

多項式への代入(本解)が代数で示すのに対し、この見方は「正 角形の対角線・辺の長さの積がちょうど 」という図形的事実を与える。頂点が増えるほど個々の弦は短くなるのに、積が で増え続けるのが面白い。

ポイント

  • 乗根は の全解、
  • を割ると
  • 代入で

よくある間違い

  • 因子 を割る前に を代入して になり行き詰まる(先に を作る)。
  • を入れた値を とする(項数 なので )。
  • の符号差を気にして止まる(因子 個で符号が付くが、実部が正なので結局 )。