数学C / 複素数平面

2点間の距離

★ 基礎距離

問題

複素数平面上の の間の距離を求めよ。

ヒントを見る

点間の距離は、差の絶対値。まず引き算してから大きさを測る。

解答・解説

方針

点間の距離は (差の絶対値)。 を計算し、その絶対値を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 点間の距離は、差の絶対値だ。

まず、差を計算する。

次に、その絶対値を求める。

距離は

なぜ、「差の絶対値」が距離になるのか。

は、点 から点 へ向かうベクトルだった。

その絶対値(大きさ)が、 点の距離になるのは当然だ。

ベクトルの と、まったく同じ。

そして、出てきた という数。

これは、最初の問題()で扱ったものと、同じだ。

同じ計算が、違う顔をして現れる。 数学では、よくあることである。

公式 点間の距離 (差の絶対値)

① 差を求める。

② 絶対値を求める。

ReImO1+i4+5i
2点 1+i, 4+5i の距離 |z₁−z₂|=5

まとめ:複素数平面の 点間の距離は「差の絶対値 」。差 から へのベクトルにあたり、その大きさが距離。座標平面の距離公式と同じことだ。

発展 — 一歩先へ。 複素数平面では、「 点間の距離」だけでなく、「角度」も簡単に扱える。

を考える。

( を頂点とする角)を求めたい。

複素数の商を作る。

分子は「 から へのベクトル」、分母は「 から へのベクトル」。

この商の偏角が、 つのベクトルのなす角 — つまり になる。

なぜか。 商の偏角は、偏角の差だからだ。

この公式から、 つの重要な条件が出る。

条件 : 点が一直線上にある。

なす角が つまり、商が実数になる。

条件 : 直線が垂直。

なす角が つまり、商が純虚数になる。

「一直線 実数」「垂直 純虚数」

この つの言い換えは、複素数平面の問題で、繰り返し使われる。

そして、前に学んだ「実数・純虚数の条件」が、ここで生きてくる。

すべてが、 本の線でつながる。

幾何の条件(一直線、垂直)

複素数の条件(実数、純虚数)

共役の等式()

図形の問題が、 段階で、ただの方程式に変換される。

この"翻訳"の連鎖が、複素数平面という道具の本質だ。

さらに、 点が同一円周上にある条件も、書ける。

この式は複比と呼ばれ、射影幾何学という、より高度な理論の中心概念になる。

円周角の定理が、 行の式に凝縮されている。

点間の距離は 」という、素朴な事実。

そこに「商の偏角は角度」を加えると、複素数平面は、平面幾何のすべてを記述する言語になる。

ガウスが 年前に切り開いた、この道具。

それを、いまあなたが手にしている。

別解

距離の式 から、円と直線の方程式を作る。

この問題で使った「 点間の距離 」という式。

これを、"条件"として使うと、図形が生まれる。

円。

「点 から、距離 にある点 の全体」

これが、中心 、半径 の円の方程式だ。

座標で書くと、 変数()が必要だった。

複素数なら、 変数()で済む。

この簡潔さが、複素数で図形を扱う理由である。

垂直二等分線。

から等距離にある点」

これが、線分 の垂直二等分線。

アポロニウスの円。

点からの距離の比が である点」

この条件を満たす点は、円を描く(比が でなければ)。

数学IIで学んだアポロニウスの円が、複素数では 行で書ける。

実際に、方程式を解いてみよう。

問題: を満たす の描く図形は?

両辺を 乗する。 を使う。

展開する。

で割る。

平方完成のように、まとめる。

中心 、半径 の円!

アポロニウスの円が、複素数の計算で出てきた。

この計算の要は、 という、前問の公式だった。

「絶対値の 乗は、共役との積」

この 行が、絶対値を含む方程式を、普通の代数計算に変えてしまう。

根号(絶対値)が邪魔なら、 乗して共役との積にする。

この定石が、複素数平面の図形問題を解く、最大の武器である。

ポイント

  • 距離
  • 差の絶対値がベクトルの大きさ。

よくある間違い

  • 距離を で計算してしまう。距離は「差の絶対値」
  • 差の計算で虚部を間違える。( ではない)
  • としてしまう。絶対値は