数学B / 漸化式と数学的帰納法

2乗で増える数列と単位分数の和

最難関編部分分数望遠鏡式

問題

数列 で定める。

(1) が成り立つことを示せ。

(2) を示し、 がすべての で成り立つことを確かめよ。

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漸化式の両辺から1を引いてみると、右辺がきれいに因数分解できないか。その積の形を逆数にすると、 が「引き算の形」に割れる — 和が消えていく仕掛けはそこにある。

解答・解説

方針

漸化式を a_{n+1}−1=a_n(a_n−1) と変形すると、「次の項−1」が「今の項×(今の項−1)」という積に割れる — 逆数の世界では 1/a_n が差の形にほどけて(部分分数)、和が望遠鏡式に潰れる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 数列は と爆発的に増える。一般項は望めない。だが問われているのは逆数の和だ。

漸化式の両辺から1を引いてみる:

「次の項 」が「今の項 × (今の項 )」に因数分解された。積の逆数は部分分数で差に割れる。 が「隣り合う量の差」にほどけて、和が望遠鏡式に消える寸法だ。

重要漸化式の変形 が部分分数 を生む(積に割れたら逆数は差に割れる)

① (1) を示す。 上の変形から

( が帰納的に成り立つので分母は0にならない: なら 。)

② (2) 望遠鏡和。 (1)を から まで足すと、間が消えて

(。)

③ 1未満であること。 より だから

実際 — 和は1にどこまでも近づくが決して届かない。

まとめ: 「漸化式を引き算して因数分解 → 逆数を部分分数に → 望遠鏡」。この数列(2, 3, 7, 43, …)は「逆数の和が最速で1に迫る」ことで知られる有名な数列で、各項が『それまでの積+1』になっている( も同じ変形から示せる)— 探検しがいのある構造だ。

発展 — 一歩先へ。 この数列(シルベスター数列)は「単位分数の和で1に迫る最速の列」として知られる。残りの隙間は で、 が2乗のオーダーで増えるため、正しい桁数が毎回ほぼ倍増しながら1へ収束する。しかも各ステップで選んでいるのは「足しても1を超えない最大の単位分数」— 貪欲法そのものだ。

(1) による(証明) (2) 望遠鏡和で

別解

「それまでの積 」を主役にする(積の恒等式ルート)。 鍵の変形 を繰り返し使うと、 がさらに割れていく:

(。)つまりこの数列は「次の項 それまでの積 」で成長している( ✓)。

すると逆数の和は、帰納法で

と書ける(: ✓。 を足すと分母が更新される)。 だから、本解の式と完全に一致する。

部分分数(本解)は機械的に強く、積の恒等式は数列の設計思想(積 )まで見せてくれる。 が1へ猛烈な速さで迫る理由は、分母が毎回「それまでの積」で膨らむからだ。

ポイント

  • の因数分解が全ての鍵。
  • (部分分数)。
  • 望遠鏡和

よくある間違い

  • (1)の通分 の分子を と誤る(分子は )。
  • 望遠鏡和の生き残りを取り違える。先頭は 、末尾は
  • (分母が正で0でない)の帰納的確認を飛ばして部分分数を使う。