数学B / 統計的な推測

二項分布の期待値 E(X)=np の証明

実戦編統計的な推測二項分布期待値組合せ単元横断

問題

が二項分布 に従うとき、 である。期待値 に等しいことを示せ。ただし とする。

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。これで を外に出し、残りの和は二項定理で

解答・解説

方針

を消し、 をくくり出す。残る和を二項定理で にまとめる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 が邪魔だ。この を二項係数に吸収させたい。

そこで恒等式 。これで が消え、代わりに が前に出る。

を1つずつくくり出すと、残る和は 個の二項分布の全確率、つまり 。だから が一気に出る。

重要。二項定理

を消す。 の項は なので で和をとる。 より をくくる。 として とおくと和は

③ 二項定理。 この和は 。よって

まとめ を消し をくくると、残りは 。二項分布と組合せ・二項定理の融合。

発展 — 一歩先へ。 指示関数への分解(別解)は、独立でない場合にも期待値だけは足せるという強みをもつ。たとえば「 枚の札を並べて自分の番号を引く人数」の期待値は、各位置の一致を で表して足すと(独立でないのに)ちょうど 。「和の期待値は期待値の和」は、確率変数が独立かどうかに一切よらない万能の道具だ。

を使う。

別解

別解 — を「 の和」に分解する(得意な人向けの高い視点)。 二項分布 は、成功確率 の独立な試行を 回行ったときの成功回数だ。

そこで 回目が成功なら 、失敗なら とおくと、

の期待値は 。期待値の線形性(和の期待値は期待値の和)から

二項係数の和(本解)を一切計算せず、「 個の を足す」だけで が出た。恒等式 の正体は、この「1回分を取り出す」操作そのもの。指示関数への分解は、分散でも同じ威力を発揮する。

ポイント

  • を吸収。
  • をくくり出す。
  • 残る和は

よくある間違い

  • 恒等式 を使わず、 を残したまま和が閉じずに詰まる。
  • 和の下端を のままにする( の項は なので から。 の添字がずれる)。
  • 残る和 を使わず、 をくくり出せない。