数学A / 場合の数
円周上の8点を結ぶ弦が作る領域
問題
円周上に8個の点があり、これらの点を結ぶどの3本の弦も、円の内部の同じ1点では交わらないものとする。8個の点のうちのすべての2点を弦で結ぶとき、円の内部は何個の領域に分かれるか。
ヒントを見る
「弦を全部引いた完成図」をいきなり数えるのは無理がある。1本ずつ引くと、1本引くたびに領域はいくつ増えるか — その弦が途中で既存の弦と交わる回数と関係づけられないか。交点の総数は、円周上の点の選び方に言い換えられる。
解答・解説
方針
弦を1本ずつ引きながら、領域がいくつ増えるかを数える: 新しい弦が既に引いた弦と k 回交わるなら、弦は k+1 個の部分に分かれ、領域は k+1 増える。だから総領域数 = 1 + (弦の本数) + (内部交点の総数)。内部交点は円周上の4点の選び方と1対1。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 完成図の領域を直接数えるのは、 が大きいと不可能だ。1本ずつ弦を足して、増分を数える方針に切り替える。
新しい弦が既存の弦と内部で 回交わると、弦は 個の線分に分かれ、その各線分が通過中の領域を2つに割る。つまり領域は 増える。すると最後の総数は、「最初の1(円の内部)+ 弦の本数 + 内部交点の総数」になる。
残るは交点の総数。どの3本も1点で交わらない仮定の下では、内部交点1つ ⟷ 円周上の4点の選び方1つ(4点を選ぶと、交わるのはたすきに結んだ1組だけ)という対応で数えられる。
① 弦の本数。 8点から2点を選んで
② 内部交点の総数。 円周上の4点を選ぶと、その4点を結ぶ6本の弦のうち内部で交わるのは「たすき」の1組だけ。逆に、内部の交点はそのような4点をただ1組決める。よって
③ 増分を足し上げる。 何も引かないとき領域は1個。弦を1本ずつ足すと、増える数の合計は(各弦につき1)+(交点1つにつき1)だから
まとめ: 「1本ずつ足して増分を数える」帰納の型と、「交点を4点の選び方に翻訳する」対応の型の合わせ技。点を 個で試すと領域は 。倍々に見えて で崩れるのは、正体が だからだ(モーザーの円分割として有名)。
発展 — 一歩先へ。 「どの3本も1点で交わらない」という仮定を外すと、多重交点1つごとに領域が減る。たとえば正六角形の対角線は中心で3本が重なり、領域は31より1つ少ない30になる。仮定の一文が答えを守っている。
個
別解
オイラーの公式で検算する(得意な人向け)。 平面のつながり方には、頂点 ・辺 ・面 のあいだの普遍の関係がある。
この図で数えてみる。頂点は、円周上の8点と内部交点70個で 。辺は、円弧が8本(8点で切られる)、弦は1本あたり(交点数+1)本に分かれるから合計 本(交点1つが2本の弦をそれぞれ1回ずつ切る)。あわせて 。
公式から
外側の面を1つ除いて、円の内部は 個。本解の増分勘定と一致した。
増分で数える(本解)か、完成図の を勘定してオイラーに任せるか。前者は過程の、後者は構造の数え方だ。2本の道が同じ99で合流すると、答えはもう動かない。
ポイント
- 弦1本の追加で領域は(交点数) 増える。
- 内部交点 ⟷ 円周上の4点の選び方()。
- 。
よくある間違い
- 領域数を と即断する。 までは合うが で31になり崩れる。指数ではなく組合せの式が正体。
- 「どの3本も1点で交わらない」の仮定を使う場所を言わない。交点⟷4点の1対1対応は、この仮定があって初めて成り立つ。
- 弦の分割数を交点の数と同じにする。 個の交点は弦を 本の線分に分ける。