数学A / 場合の数

完全順列の漸化式

最難関編完全順列漸化式の導出

問題

人が1個ずつプレゼントを持ち寄り、全員が自分の持ってきたもの以外のプレゼントを1個ずつ受け取る配り方の総数を とする()。

(1) のとき、 が成り立つことを示せ。

(2) を求めよ。

ヒントを見る

全体をいきなり数えず、1番の人の受け取る品で場合分けしてみる。その相手が1番の品を受け取るかどうかで、残りの状況は2種類 — どちらも「同じ問題の小さい版」と言い切れるか。特に「受け取らない」側の言い換えが勝負どころ。

解答・解説

方針

1番の人が誰の品を受け取るかで場合分けし(n−1通り)、さらにその相手が1番の品を受け取るかどうかで2つに割る。「受け取り合う」なら残りは人数が2減った同じ問題、「受け取らない」なら禁止先を付け替えると人数が1減った同じ問題になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 を直接数え上げるのは現実的でない。数え上げの定石は、「最初の1手で場合分けし、残りを同じ形の小さい問題に帰着させて漸化式を作る」ことだ。

1番の人が受け取る品の持ち主を とする( 通り)。次の分かれ目は、「 番の人が1番の品を受け取るか」。

受け取るなら、2人が品を交換して退場し、残りは 人の同じ問題。受け取らないなら、 番の人の「受け取ってはいけない品」を付け替えることで、 人の同じ問題に化ける。この言い換えが急所だ。

重要数え上げの漸化式: 最初の選択で場合分けし、残りの状況を「同じ問題の小さい版」に言い換える。言い換えの1対1対応が正しさの根拠

① 場合分けの枠組み((1)の証明)。 1番の人が 番の人の品を受け取るとする。 の選び方は 通りで、どの でも以下の勘定は同じだから、最後に 倍すればよい。

番の人が1番の品を受け取る場合。 1番と 番は品を交換して確定。残る 人は、自分の品以外を受け取る同じ問題そのもの。配り方は 通り。

番の人が1番の品を受け取らない場合。 残っている品は「1番の品」と「 番以外の 人の品」。受け取る人は「 番」と「1番・ 番以外の 人」だ。ここで 番の人にとって禁止されているのは1番の品だけ。そこで、1番の品に「 番の品」と名札を付け替える。すると「 人がそれぞれ自分の名札の品を受け取らない」完全順列そのものになる(付け替えは1対1の言い換えで、数は変わらない)。よって 通り。

②と③は排反ですべてを尽くすから

を計算する((2)の答え)。 から

まとめ: 「交換して2人退場()」と「禁止先の付け替えで1人減()」。この2つの帰着が完全順列の漸化式の心臓部だ。漸化式さえ立てば、 は足して掛けるだけで届く。

発展 — 一歩先へ。 。この「誰も自分の品を受け取らない確率」は、人数を増やしても約 ( は自然対数の底)に張りつく。プレゼント交換の失敗率は、6人でもう極限とほぼ同じなのだ。

(1) 1番の人の受け取る品で場合分けして帰着(証明) (2)

別解

包除原理で一撃の式を作る(得意な人向け)。 漸化式を経由せず、 を閉じた式で出す道もある。

「少なくとも1人が自分の品を受け取る」場合を包除原理で除く。自分の品を受け取る人の集合を 人指定すると、その 人は確定し、残り 人は自由だから 通り。指定のしかたは 通り。符号を交互につけて

で計算すると

漸化式(本解)は「隣とつなぐ」、包除は「一気に書き下す」。同じ265に、性格の違う2本の道が通じている。交互に符号のつく和の形は、そのまま への収束(発展)の理由にもなっている。

ポイント

  • 1番の受け取る品の持ち主 で場合分け( 通り)。
  • が1番の品を受け取るなら 、受け取らないなら名札の付け替えで

よくある間違い

  • 「受け取り合う」場合()を落として としてしまう。2つの場合は排反で両方要る。
  • ③の名札の付け替えが1対1であること(数が変わらないこと)を言わずに と断定する。ここが証明の資格。
  • 初期値を などと置く。1人が自分の品以外を受け取る方法は存在しない()。(交換の1通り)とセットで確認。