数学A / 場合の数

領域の塗り分け(隣接する領域)

★★★ 応用塗り分け重複順列

問題

図のように、円の中心部の領域と、それを囲む4つの扇形の領域がある。隣り合う領域(辺を共有する領域)は異なる色になるように、赤・青・黄・緑の4色から選んで塗る。4色すべてを使う必要はない。塗り方は全部で何通りあるか。

S1S2S3S4
中心の領域と、輪をなす4つの扇形(隣接は異なる色)
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まず中心を塗る。各扇形は中心と違う色、かつ隣どうしも違う色。扇形4つは輪(A-B-C-D-A)につながっているので、輪の塗り分けとして順に条件を追っていく。

解答・解説

方針

塗り分けは「となり合う制約のきつい領域から決める」のがコツだ。

まず全部の扇形と接している中心を決め、次に扇形を1つずつ決める。扇形は輪のように並んでいて、それぞれ中心とも、両どなりの扇形とも色が違わなければならない。

この『輪の塗り分け』が難しいところで、最後の扇形が「両どなりと中心」の3方向に気を配る必要がある。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 塗り分けは、制約のいちばんきつい領域から決めるのが定石だ。

全部の扇形と接している中心を、最初に塗る。すると残りは、輪に並んだ扇形どうしの隣接だけの問題になる。

輪の塗り分けは、最後の 枚が最初の 枚とも隣り合う。そこで衝突が起こりうると、先に見抜いておく。場合分け、または数え直しが要る合図だ。

中心を決める: 中心の色は4通り、どれでもよい。

扇形を決める: 4つの扇形を輪の順に とする(---- がとなり合う)。各扇形は中心と違う色でなければならないので、使えるのは中心以外の3色だ。この3色で、輪をなす4つの扇形を、となりどうし違うように塗る。

は3通り。 と違う2通り。 と違う2通り。問題は で、 とも とも違う色でなければならない。 が同じ色か違う色かで の選択肢が変わるので、単純なかけ算だけでは処理できない。

こういう『輪(サイクル)の塗り分け』は、次の公式で数えられる。 個の領域が輪をなすとき、 色でとなりどうし違うように塗る方法は

通りだ。いま扇形は 個、使える色は中心以外の 色だから

かけ合わせる: 中心の4通りと扇形の18通りは別々に選べるので

まとめ:もし扇形が輪ではなく一列(両はしがつながらない)なら 通りで済む。でも輪では、両はし(最初と最後)もとなり合うぶん条件が増える。図の形が『輪か一列か』を正しく読み取るのが、塗り分けの出発点だ。

発展 — 一歩先へ。 この図は、中心の点を つの扇形すべてとつなぎ、扇形どうしを輪でつないだ形だ。グラフ理論では車輪グラフ と呼ばれる。

「隣り合う領域は違う色」という塗り分けの数は、色数 を変数と見ると の多項式になる。これを彩色多項式という。 の彩色多項式に を代入すると、ちょうど が出る。

地図の塗り分け(四色定理)も、この彩色多項式の枠組みで語られる。図形の隣接関係をグラフに直すと、塗り分けが代数の問題に変わる。

72通り

別解

別解 — 輪の公式を使わず場合分けで数える(苦手な人向けの手作業ルート)。 扇形に使えるのは中心以外の 色。この 色で輪 ---- を塗る数を、じかに数える。

通り。 と違う 通り。ここまでは素直だ。

問題の とも とも違わねばならない。そこで の色で場合を分ける。 と違えばよいので、候補は と「残りの 色」の つ。

  • のとき: を避ければよく、 色から 色を除いて 通り。
  • が残りの 色のとき: とも とも違い、この 色は別なので 通り。

の決め方は 通り。よって扇形は 通り。中心 通りとかけて

公式を覚えていなくても、最後の 枚の衝突を場合分けで押さえれば、同じ 通りにたどり着く。

ポイント

  • 塗り分けは、制約のきつい領域(全部と接する中心)から決める
  • 輪(サイクル)状の 領域を 色で塗る =
  • 図が「輪」か「一列」かで、両はしの条件が変わる

よくある間違い

  • 扇形を一列とみなして とし、 が隣り合うこと(輪であること)を見落とす。
  • 扇形に中心と同じ色を許してしまう(中心と隣り合うので使えるのは残り 色)。
  • 最後の を「 と違う 通り」で済ませ、 とも違う条件を忘れて数えすぎる。