数学A / 場合の数
領域の塗り分け(隣接する領域)
問題
図のように、円の中心部の領域と、それを囲む4つの扇形の領域がある。隣り合う領域(辺を共有する領域)は異なる色になるように、赤・青・黄・緑の4色から選んで塗る。4色すべてを使う必要はない。塗り方は全部で何通りあるか。
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まず中心を塗る。各扇形は中心と違う色、かつ隣どうしも違う色。扇形4つは輪(A-B-C-D-A)につながっているので、輪の塗り分けとして順に条件を追っていく。
解答・解説
方針
塗り分けは「となり合う制約のきつい領域から決める」のがコツだ。
まず全部の扇形と接している中心を決め、次に扇形を1つずつ決める。扇形は輪のように並んでいて、それぞれ中心とも、両どなりの扇形とも色が違わなければならない。
この『輪の塗り分け』が難しいところで、最後の扇形が「両どなりと中心」の3方向に気を配る必要がある。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 塗り分けは、制約のいちばんきつい領域から決めるのが定石だ。
全部の扇形と接している中心を、最初に塗る。すると残りは、輪に並んだ扇形どうしの隣接だけの問題になる。
輪の塗り分けは、最後の 枚が最初の 枚とも隣り合う。そこで衝突が起こりうると、先に見抜いておく。場合分け、または数え直しが要る合図だ。
中心を決める: 中心の色は4通り、どれでもよい。
扇形を決める: 4つの扇形を輪の順に とする(---- がとなり合う)。各扇形は中心と違う色でなければならないので、使えるのは中心以外の3色だ。この3色で、輪をなす4つの扇形を、となりどうし違うように塗る。
は3通り。 は と違う2通り。 は と違う2通り。問題は で、 とも とも違う色でなければならない。 と が同じ色か違う色かで の選択肢が変わるので、単純なかけ算だけでは処理できない。
こういう『輪(サイクル)の塗り分け』は、次の公式で数えられる。 個の領域が輪をなすとき、 色でとなりどうし違うように塗る方法は
通りだ。いま扇形は 個、使える色は中心以外の 色だから
かけ合わせる: 中心の4通りと扇形の18通りは別々に選べるので
まとめ:もし扇形が輪ではなく一列(両はしがつながらない)なら 通りで済む。でも輪では、両はし(最初と最後)もとなり合うぶん条件が増える。図の形が『輪か一列か』を正しく読み取るのが、塗り分けの出発点だ。
発展 — 一歩先へ。 この図は、中心の点を つの扇形すべてとつなぎ、扇形どうしを輪でつないだ形だ。グラフ理論では車輪グラフ と呼ばれる。
「隣り合う領域は違う色」という塗り分けの数は、色数 を変数と見ると の多項式になる。これを彩色多項式という。 の彩色多項式に を代入すると、ちょうど が出る。
地図の塗り分け(四色定理)も、この彩色多項式の枠組みで語られる。図形の隣接関係をグラフに直すと、塗り分けが代数の問題に変わる。
72通り
別解
別解 — 輪の公式を使わず場合分けで数える(苦手な人向けの手作業ルート)。 扇形に使えるのは中心以外の 色。この 色で輪 ---- を塗る数を、じかに数える。
は 通り。 は と違う 通り。ここまでは素直だ。
問題の は とも とも違わねばならない。そこで の色で場合を分ける。 は と違えばよいので、候補は と「残りの 色」の つ。
- のとき: は を避ければよく、 色から 色を除いて 通り。
- が残りの 色のとき: は とも とも違い、この 色は別なので 通り。
の決め方は 通り。よって扇形は 通り。中心 通りとかけて
公式を覚えていなくても、最後の 枚の衝突を場合分けで押さえれば、同じ 通りにたどり着く。
ポイント
- 塗り分けは、制約のきつい領域(全部と接する中心)から決める
- 輪(サイクル)状の 領域を 色で塗る =
- 図が「輪」か「一列」かで、両はしの条件が変わる
よくある間違い
- 扇形を一列とみなして とし、 と が隣り合うこと(輪であること)を見落とす。
- 扇形に中心と同じ色を許してしまう(中心と隣り合うので使えるのは残り 色)。
- 最後の を「 と違う 通り」で済ませ、 とも違う条件を忘れて数えすぎる。