数学II / 図形と方程式
定点を通る弦の中点の軌跡
問題
定点 を通る直線が円 と相異なる2点で交わるとき、その2交点を結ぶ弦の中点 M の軌跡を求めよ。
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円の中心から弦の中点に引いた線は弦に垂直。弦は定点 A を通るから、M では OM と MA が直角。M が満たす図形は?(2定点を直角に見込む点。)
解答・解説
方針
円の中心 O から弦の中点 M へ引いた線分は弦と垂直(OM⊥AM)。M は A と O を直角に見込むので、OA を直径とする円上にある。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 弦の中点 M には、覚えておくべき強い性質がある。円の中心 O から弦の中点へ引いた線分は、その弦と垂直になる(中心と弦の両端が作る二等辺三角形の、頂点からの中線だから)。
本問の弦はどれも定点 を通る。だから M では、 と が垂直。つまり M は、2定点 O・A を直角に見込む点だ。
直角に見込む点の集まりは、OA を直径とする円。座標計算に入る前に答えの形が見えている。最後に「弦が本当に存在する範囲」だけを確かめればよい。
① 垂直条件。 中心 から弦の中点 M に引いた は弦に垂直。弦は A を通るから、M では 。
② タレスの円。 だから、M は線分 OA を直径とする円周上。中心は OA の中点 、半径は :
③ 範囲。 弦が「相異なる2点」で交わるのは M がもとの円 の内部にあるとき。よって軌跡は上の円のうち、もとの円の内部にある部分(弧)。
まとめ:「中心→弦の中点は弦に垂直」を使い、定点 A と中心 O を直角に見込む=タレスの円、と読むのが急所。 を直接消去する計算より、垂直という図形的性質から一気に円が出る。定義域(2交点をもつ範囲)を最後に添えるのを忘れない。
発展 — 一歩先へ。 定点 A が円の内部にあれば、どの向きの弦も実在するので、軌跡は OA を直径とする円の全周になる。A が外部なら本問のように弧だけ。定点の内外で答えの形が変わる。軌跡の問題は「式」と同じくらい「範囲」が本体だ。
円 の、もとの円 の内部にある部分
別解
解と係数の関係で中点を計算する(手を動かすルート)。 垂直の性質を思い出せなくても、弦を式で置けば必ず出る。
A を通る傾き の直線 を円 に代入すると
2交点の 座標の和は、解と係数の関係で 。だから中点 M は
ここで が成り立つ。つまり 、平方完成して本解と同じ円だ。
2点で交わる条件は判別式 、整理すると 。ちょうどこの範囲の が、円のうち「もとの円の内部」の弧を塗る。なお A は円の外なので、垂直な直線 は円と交わらず、傾きの場合分けは不要。
幾何(本解)は一瞬で正体を見抜き、計算(本ルート)は範囲の出どころ()まで具体的に見せてくれる。
ポイント
- 中心→弦の中点は弦に垂直。
- → OA を直径とする円。
- (もとの円の内部)。
よくある間違い
- 範囲の制限を忘れて円 の全周を答える。A が円の外にあるので、弦が実在する分の弧しか動けない。
- 弧の端(もとの円の周上)を含めてしまう。端では直線が円に接して交点が1個になり、「相異なる2点で交わる」に反する。
- 直径の弦(x 軸)の中点が原点 O になる場合を見落とす。O では垂直の言い方が一瞬怪しく見えるが、軌跡の円は O を通り、O も軌跡に含まれる。