数学II / 図形と方程式

対称な点

★ 基礎対称点

問題

について、次の点の座標を求めよ。

(1) 軸に関して対称な点

(2) 直線 に関して対称な点

ヒントを見る

実際に図をかいて折り返してみるのが早い。(1) 折り返しで変わる座標はどちらか。(2) での折り返しで座標に何が起きるか、具体的な点で試して規則を見つけよう。

解答・解説

方針

軸対称は の符号を変えるだけ。 に関する対称は、 座標と 座標を入れかえるだけ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 対称移動は、図を描けば一瞬で分かる。公式を覚える前に、絵で確かめよう。

(1) 軸に関して対称鏡を 軸に置いて、上下をひっくり返す。

座標は動かない。 座標だけが符号反転する。

(2) 直線 に関して対称斜め の鏡で映す。

この鏡では、 座標と 座標が入れかわる。

なぜ入れかわるのか。 直線 は「 が等しい点」の集まり。この直線で折り返すと、 軸と 軸が入れかわる — だから座標も入れかわるのだ。

迷ったら、方眼紙に点を打って、折ってみる。 対称移動は、手を動かせば必ず分かる。

公式 軸対称は 軸対称は 、直線 対称は を入れかえる

(1) 軸に関する対称は、 座標の符号だけ変える。

(2) 直線 に関する対称は、 座標と 座標を入れかえる。

xyOA(3,2)(3,-2)(2,3)
A(3,2) の x軸対称(3,-2)と y=x 対称(2,3)

発展 — 一歩先へ。 直線 に関する対称移動( を入れかえる)は、逆関数の正体である。

のグラフを で折り返すと、 — つまり のグラフになる。

例を見よう。

  • ()と ()
  • ()と

「入れかわった つの関数」が、鏡像として向かい合っている。

指数関数と対数関数が「逆の関係」にあると習うとき、グラフの上では の鏡で結ばれているのだ。 が対応する — まさに座標の入れかえである。

そして、対称移動には「合成する」という遊び方もある。

  • 軸対称 → 軸対称 の順に 回移すと? 原点対称になる
  • 対称 → 軸対称 なら? — これは 回転

回の鏡映が、回転を生む。 これは物理の「鏡を 枚合わせると像が回転して見える」現象と同じことだ。

「対称移動」の組み合わせから、平面上のあらゆる合同変換(平行移動・回転・鏡映)が作れる — これを研究するのが群論である。結晶の構造も、素粒子の分類も、この理論の上に立っている。

方眼紙で点をひっくり返す遊びが、現代物理の言語につながっている。

(1) (2)

別解

「対称点」の定義に立ち返って、答えを検証する。 そして、どんな直線に関する対称点でも求められる一般手順を身につけよう。

対称点の定義。 と点 が直線 に関して対称であるとは

  1. の中点が、直線 の上にある
  2. 線分 が、直線 と垂直

この 条件だけ。

(2)の答え を、この定義で検証する。

条件1: 中点は 上か。

直線 上にあるか → ある。

条件2: 垂直か。

の傾きは

直線 の傾きは 。積は 垂直。

条件とも満たした。 は確かに対称点である。

さて、この定義を使えば、どんな直線でも対称点が求まる。

例: 点 の、直線 に関する対称点は?

この場合、「座標を入れかえる」といった簡単な規則は使えない。定義から連立方程式を立てる。

対称点を とおく。

条件1(中点が直線上): 中点 上にある。

条件2(垂直): の傾き

連立して解く。 を代入すると

汚い数だが、確実に求まる。

よく使う対称移動を、表にまとめておく。

何に関して対称か の行き先 の場合
原点
直線
直線

対称は「入れかえ」、 対称は「入れかえて符号反転」。

規則が使えるのは、この つだけ。 それ以外の直線(たとえば )なら、定義に戻って連立方程式を立てる。

「規則を覚える」のではなく「定義から作れる」ようにしておく。 覚えた規則が使えない問題に出会ったとき、定義に戻れる人だけが解ける。

ポイント

  • 軸対称: の符号を変える。 対称: を入れかえる。

よくある間違い

  • 軸対称と 軸対称を取り違える( 軸対称は の符号が変わる)
  • 対称で符号まで変えてしまう(入れかえるだけ。符号は変えない)
  • 対称を「入れかえるだけ」としてしまう(入れかえたうえで両方の符号を変える)