数学II / 図形と方程式
2直線の交点
問題
2直線 、 の交点の座標を求めよ。
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連立して解くだけ。 つの式をどう組み合わせれば文字が つ消えるか、式の形をよく見てから手を動かそう。
解答・解説
方針
交点は、2つの直線の式を同時に満たす点。だから連立方程式を解けばよい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 交点とは「両方の直線の上にある点」。だから両方の式を同時に満たす を探す — つまり連立方程式を解く。
加減法が速い。 の係数が と — 足すだけで が消える。
を求める。 を、計算が楽なほうの式に代入する。
「連立方程式を解く」ことと「 直線の交点を求める」ことは、まったく同じである。中学から解いてきた連立方程式には、こういう幾何的な意味があった。
2式をたすと が消える。
を に入れて 、。
よって交点は 。
発展 — 一歩先へ。 連立 次方程式と直線の関係は、次元を上げても続く。
変数の 次方程式 は、空間内の平面を表す。
枚の平面の共通部分を求める — それが 元連立 次方程式だ。
結末は、こうなる。
- 点で交わる → 解がただ 組(部屋の隅を思い浮かべるとよい。壁 枚と床が 点で出会う)
- 直線で交わる → 解が無数(本のページのように、 枚が 本の線で綴じられている)
- 共通部分なし → 解なし(三角柱の側面のように、 枚ずつは交わるのに 枚共通の点はない)
方程式の解の様子が、そのまま図形の位置関係になっている。
この対応を体系的に扱うのが線形代数という分野だ。大学で最初に学ぶ数学のひとつで、連立 次方程式を、次元を問わず統一的に解く理論である。
そして、線形代数は現代技術の心臓部にある。
- D グラフィックス: 物体の回転・拡大は行列の掛け算
- 画像処理: 画像を巨大な行列とみなす
- 機械学習: ニューラルネットワークの計算は、ほとんどが行列演算
- 検索エンジン: ページの重要度計算(PageRank)は、巨大行列の固有値問題
と を解く、という中学以来の作業。 その延長線上に、現代のテクノロジーが立っている。基本の計算を、侮ってはいけない。
別解
交点を求めずに、「交点を通る直線」を書く方法がある。 直線束という強力な技だ。これを知ると、多くの問題が劇的に短くなる。
まず、連立方程式の幾何的な意味を整理する。
直線の連立方程式には、 つの結末がある。
| 連立方程式 | 直線 | 解 |
|---|---|---|
| ただ 組の解 | 点で交わる | 交点 個 |
| 解なし( のような矛盾) | 平行(交わらない) | なし |
| 無数の解() | 一致(同じ直線) | 無数 |
「解なし」は、平行だということ。 と を連立すると という矛盾が出る — 傾きが同じで切片が違う 直線は、永遠に出会わない。
さて、直線束の技。
直線 、 の交点を通る直線は、次の形で全部書ける。
なぜか。 交点 を代入してみる。
が何であっても、 で成り立つ。 つまりこの式が表す直線は、 をどう変えても必ず交点 を通る。
交点の座標を計算しなくても、「交点を通る直線」が書けてしまった。
使いどころ。
問題: 「 直線 、 の交点を通り、点 を通る直線を求めよ」
直線束を使う。
点 を通るので代入する。
あれ、 が消えてしまった。 これは「点 が 上にある」場合で、直線束では表せない直線( 自身)が答えになる、という特殊なケースだ(直線束の弱点で、 そのものだけは表せない)。
別の点で試そう。「交点を通り、点 を通る直線」なら
検算: 交点 で ✓、原点 で ✓。
交点を求めずに済んだ。 今回は交点が ときれいだったが、交点が のような分数だったら、直線束のありがたみは絶大になる。
「答えを求めずに、答えを使う」 — 数学には、こういう技がある。 円の交点を通る円(円束)も、まったく同じ発想で作れる。
ポイント
- 交点=連立方程式の解。
- たし算・引き算で1文字を消すのが速い。
よくある間違い
- を求めただけで満足し、 を出し忘れる
- 加減法で足すか引くかを間違え、文字が消えない
- 連立方程式が「解なし」になったとき、計算ミスだと思ってしまう(2直線が平行なら解なしが正しい)