数学II / 図形と方程式

2直線の交点

★ 基礎2直線の交点

問題

2直線 の交点の座標を求めよ。

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連立して解くだけ。 つの式をどう組み合わせれば文字が つ消えるか、式の形をよく見てから手を動かそう。

解答・解説

方針

交点は、2つの直線の式を同時に満たす点。だから連立方程式を解けばよい。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 交点とは「両方の直線の上にある点」。だから両方の式を同時に満たす を探す — つまり連立方程式を解く

加減法が速い。 の係数が 足すだけで が消える。

を求める。 を、計算が楽なほうの式に代入する。

「連立方程式を解く」ことと「 直線の交点を求める」ことは、まったく同じである。中学から解いてきた連立方程式には、こういう幾何的な意味があった。

重要2直線の交点は、2つの方程式を連立して解いた点

2式をたすと が消える。

に入れて

よって交点は

xyO(2,1)
2直線の交点は (2,1)

発展 — 一歩先へ。 連立 次方程式と直線の関係は、次元を上げても続く

変数の 次方程式 は、空間内の平面を表す。

枚の平面の共通部分を求める — それが 元連立 次方程式だ。

結末は、こうなる。

  • 点で交わる → 解がただ 組(部屋の隅を思い浮かべるとよい。壁 枚と床が 点で出会う)
  • 直線で交わる → 解が無数(本のページのように、 枚が 本の線で綴じられている)
  • 共通部分なし → 解なし(三角柱の側面のように、 枚ずつは交わるのに 枚共通の点はない)

方程式の解の様子が、そのまま図形の位置関係になっている。

この対応を体系的に扱うのが線形代数という分野だ。大学で最初に学ぶ数学のひとつで、連立 次方程式を、次元を問わず統一的に解く理論である。

そして、線形代数は現代技術の心臓部にある。

  • D グラフィックス: 物体の回転・拡大は行列の掛け算
  • 画像処理: 画像を巨大な行列とみなす
  • 機械学習: ニューラルネットワークの計算は、ほとんどが行列演算
  • 検索エンジン: ページの重要度計算(PageRank)は、巨大行列の固有値問題

を解く、という中学以来の作業。 その延長線上に、現代のテクノロジーが立っている。基本の計算を、侮ってはいけない。

別解

交点を求めずに、「交点を通る直線」を書く方法がある。 直線束という強力な技だ。これを知ると、多くの問題が劇的に短くなる。

まず、連立方程式の幾何的な意味を整理する。

直線の連立方程式には、 つの結末がある。

連立方程式 直線
ただ 組の解 点で交わる 交点
解なし( のような矛盾) 平行(交わらない) なし
無数の解() 一致(同じ直線) 無数

「解なし」は、平行だということ。 を連立すると という矛盾が出る — 傾きが同じで切片が違う 直線は、永遠に出会わない。

さて、直線束の技。

直線 の交点を通る直線は、次の形で全部書ける。

なぜか。 交点 を代入してみる。

が何であっても、 で成り立つ。 つまりこの式が表す直線は、 をどう変えても必ず交点 を通る。

交点の座標を計算しなくても、「交点を通る直線」が書けてしまった。

使いどころ。

問題: 「 直線 の交点を通り、点 を通る直線を求めよ」

直線束を使う。

を通るので代入する。

あれ、 が消えてしまった。 これは「点 上にある」場合で、直線束では表せない直線( 自身)が答えになる、という特殊なケースだ(直線束の弱点で、 そのものだけは表せない)。

別の点で試そう。「交点を通り、点 を通る直線」なら

検算: 交点 ✓、原点 ✓。

交点を求めずに済んだ。 今回は交点が ときれいだったが、交点が のような分数だったら、直線束のありがたみは絶大になる。

「答えを求めずに、答えを使う」 — 数学には、こういう技がある。 円の交点を通る円(円束)も、まったく同じ発想で作れる。

ポイント

  • 交点=連立方程式の解。
  • たし算・引き算で1文字を消すのが速い。

よくある間違い

  • を求めただけで満足し、 を出し忘れる
  • 加減法で足すか引くかを間違え、文字が消えない
  • 連立方程式が「解なし」になったとき、計算ミスだと思ってしまう(2直線が平行なら解なしが正しい)