数学II / 図形と方程式

弦の長さ

★ 基礎弦の長さ

問題

が直線 から切り取る弦の長さを求めよ。

ヒントを見る

中心から直線までの距離・半径・弦の半分、の つで直角三角形ができる。まず図をかいて、その三角形を見つけてから三平方に乗せよう。

解答・解説

方針

中心から弦までの距離 、半径 、弦の半分で直角三角形ができる。三平方の定理から弦の長さが出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 弦の長さは、直接求めるのがいちばん速い。

直線 と円 の交点を出す。 を円の式に代入するだけだ。

交点は

弦の長さは、この 点の距離。 同じ高さ()にあるので、 座標の差がそのまま長さになる。

から、いきなり「弦 」としない。 左右に ずつあるので、全体は である。

、そして中心 — この 点で二等辺三角形ができている。図を描けば、 という答えが目で見える。

公式弦の長さ ( は半径、 は中心と直線の距離)

半径 。中心 から直線 までの距離は

中心・弦の端・弦の中点で直角三角形ができ、弦の半分は

xyO(-3,4)(3,4)4
中心からの距離 d=4、半径 r=5、弦の半分は 3

発展 — 一歩先へ。 弦の公式 から、弦の長さと中心からの距離は、たがいに逆向きに動くと分かる。

が大きくなる(直線が中心から離れる)ほど、弦は短くなる。中心を通るとき最長( 直径)、接するとき最短()。

この単調性が、最大最小問題に使える。

「点 を通る直線が、円 から切り取る弦の長さの最小値は?」

弦が最短 中心からの距離 が最大。 そして、点 を通る直線のうち、中心から最も遠いのは — に垂直な直線である(それ以外の直線は、中心にもっと近づいてしまう)。

幾何的な洞察( に垂直なとき最遠) 公式 で、微分もせずに最小値が出た。

逆に、弦が最長になるのは 、つまり直線が中心を通るとき。 そのとき弦は直径 である。

「最大・最小」の問題は、必ずしも微分で解くものではない。 図形の性質を見抜けば、計算せずに答えが分かることがある。

"どこで極端になるか"を、図で考える習慣。 数式に飛びつく前に、 度、図を眺めてみる価値がある。

別解

交点を求めずに、三平方の定理だけで弦の長さが出る。 この方法は、直線が斜めのときに真価を発揮する。

発想: 「中心・弦の中点・弦の端」で直角三角形を作る。

中心から弦に垂線を下ろすと、その足は弦の中点になる(二等辺三角形だから)。

  • 斜辺: 中心から弦の端までの距離 半径
  • : 中心から直線までの距離 ( までの距離)
  • もう : 弦の半分

三平方の定理を使う。

公式の形にすると

この公式が、なぜ強力なのか。 直線が斜めのときを考えてみよう。

例: 円 が直線 から切り取る弦の長さは?

交点を求めるルートでは、代入して 次方程式を解き、 つの交点の座標を出し、距離の公式で計算する — かなりの手間だ。

公式ルートなら 行。

交点の座標を 度も計算していない。

この公式は、 つの量(、弦)を結びつけている。 どれか つが分かれば、残りが出る。

  • 弦の長さから、中心までの距離を逆算できる
  • 「弦の長さが になるような直線」を探す問題も、 の条件に翻訳できる

そして、極端な場合を確認しておこう。

  • (直線が中心を通る)→ 弦 直径になる ✓(最長の弦)
  • (接する)→ 弦 接点 に潰れる ✓
  • → 根号の中が負 — 弦は存在しない(直線が円と交わらない)✓

つの公式が、 つの位置関係をすべて説明する。 「距離と半径を比べる」という前問の視点が、ここでも生きている。

ポイント

  • 弦の長さ
  • 中心・弦の中点・弦の端で直角三角形を作るのがカギ。

よくある間違い

  • から弦の長さを としてしまう(左右合わせて )
  • 中心から直線までの距離 と、半径 を取り違えて三平方に入れる
  • 倍を忘れる(求まるのは弦の半分)