数学II / 図形と方程式

平行・垂直な直線

★ 基礎平行と垂直

問題

直線 について、点 を通り、次の条件を満たす直線の方程式を求めよ。

(1) この直線に平行

(2) この直線に垂直

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平行と垂直、それぞれで傾きにどんな関係があったか。それが分かれば、あとは『傾きと 点』から直線を書く問題になる。

解答・解説

方針

平行なら傾きが同じ、垂直なら傾きの積が 。もとの傾き から、それぞれの傾きを決めて、点を通る式を作る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 傾きだけが問題だ。通る点はどちらも で共通なので、傾きさえ決まれば に入れて終わる。

(1) 平行 → 傾きが同じ。

(2) 垂直 → 傾きの積が

垂直の傾きは「逆数にして、符号を変える」。 段階だ。符号を変えるのを忘れるのが最頻ミスである。

公式平行 傾きが等しい。垂直 傾きの積が

もとの直線の傾きは

(1) 平行 は傾きも 。点 を通るので

(2) 垂直 は傾きの積が より 。点 を通るので

xyO(2,1)
点(2,1)を通る平行線(赤)と垂直線(緑)

発展 — 一歩先へ。 「傾きの積が 」という公式には、使えない場合がある

軸に平行な直線(、傾き )と、 軸に平行な直線(、傾きなし)。

この 本は明らかに垂直だが、

計算できない。 傾き の直線に垂直な直線は「傾きが定義されない」( 軸に平行)ので、公式が破綻する。

これが という表し方の弱点だ。 「傾き」という概念が、縦の直線を扱えない。

一般形なら、この問題は起きない。

()と ()なら

ちゃんと「垂直」と判定される。 例外がない。

この という式は、実は「法線ベクトルの内積 」である。 直線 法線ベクトル(直線に垂直な方向)は — 係数がそのまま法線の向きを表しているのだ。

直線が垂直 法線どうしも垂直 内積が

「傾き」は便利だが、万能ではない。 縦の直線という特異点を持つ。一方、一般形と法線ベクトルは、すべての直線を平等に扱える

表現の選び方が、扱える範囲を決める。 数学では「どう書くか」が「何ができるか」を左右する — 記法は、思考の道具なのだ。

(1) (2)

別解

「なぜ垂直だと傾きの積が なのか」 — 理由を知ると、公式が忘れられなくなる。そして、一般形での平行・垂直の作り方という実戦的な技も手に入る。

理由: 回転で考える。

傾き の直線は、右へ 進むと上へ 進む。方向を表す矢印は だ。

この矢印を 回転させると、垂直な方向になる。

平面で 回転すると になる(反時計回り)。

回転後の矢印は その傾きは

垂直な直線の傾きが出た ✓。

「逆数にして符号を変える」の正体は、 回転だったのだ。 を回すと になり、傾きは 必ず「逆数 」になる。

掛け算で確かめると

積が これが公式の正体である。

(ベクトルを学ぶと、これは内積が と言い換えられる: ✓。垂直 内積 が、数Cでの標準的な言い方だ。)

さて、実戦的な技を紹介する。一般形なら、平行・垂直が一瞬で書ける。

直線 を一般形にすると

平行な直線は、定数項だけを変える。

を通るので、代入して

垂直な直線は、 の係数を入れかえて、片方の符号を変える。

( を入れかえて → 符号調整して 。)点 を代入して

分数が出てこない。 の形で計算すると という分数を扱うことになるが、一般形なら整数のまま進められる。

まとめておく。 直線 に対して

  • 平行: (係数はそのまま、定数だけ変える)
  • 垂直: (係数を入れかえて、片方の符号を反転)

この 行は、計算を大幅に速くする。 特に「点と直線の距離」や「垂線の足」を求める問題では、一般形のまま進めるのが定跡だ。

ポイント

  • 平行=傾き同じ。垂直=傾きの積 (逆数の符号違い)。

よくある間違い

  • 垂直の傾きを逆数にするだけで、符号を変え忘れる( の垂直は )
  • 平行な直線を求めるとき、切片まで同じにしてしまう(元の直線と一致してしまう)
  • を通ることを使わず、傾きだけで答えを止めてしまう