数学II / 図形と方程式
点と動直線の距離の最大
問題
定点 を通る直線 について、原点 から までの距離の最大値を求めよ。
ヒントを見る
距離が最大になる の向きを、図でいろいろ試してみよう。原点からの距離は、ある長さを絶対に超えられない — その壁の正体が答えになる。
解答・解説
方針
はいつも を通る。原点から への距離は、 が に垂直なとき最大になり、その値は の長さに等しい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 直線 はつねに を通り、向きだけが変わる。原点 から に下ろした垂線の足を とすると、距離は だ。
だから、 は直角三角形 の斜辺 より短い。つまり距離は を超えない。
等しくなるのは が に重なるとき、すなわち が に垂直なときだ。動く距離を固定線分 で上から抑える、これが発想だ。
直線 はつねに を通る。原点 から に下ろした垂線の足を とすると、距離は 。
直角三角形 ()で は斜辺 より短い。等しくなるのは が に重なるとき、つまり のとき。
よって最大値は の長さ。
発展 — 一歩先へ。 が のまわりで回るとき、垂線の足 はどこを動くか。つねに だから、 は を直径とする円の上を動く(直径に立つ角は直角、というタレスの定理)。
この円の直径は 。だから は から まで、すべての値をとる。 が原点を通るときは で距離 、 が に垂直なときは で距離 が最大だ。
最大だけでなく最小 まで、 枚の円ですべて読める。「定点を通る直線と別の 点の距離は、 以上その 点間の距離以下」という一般の事実の、これは具体例だ。
別解
別解 — 距離を式にして最大を判別式で出す(得意な人向けの解析ルート)。 を通る直線を 、すなわち とおく。原点からの距離は
とおくと 、整理して 。この の 次方程式が実数解をもつ条件は、判別式が 以上:
だから の最大は 、距離の最大は 。このとき すなわち 、 で、 は に垂直だ( の傾き との積が )。縦の直線 は距離 なので最大ではない。
幾何で を上限とする本解と同じ最大値 。距離の 乗が動ける範囲を判別式で押さえる見方だ。
ポイント
- 『定点を通る直線と、ある点の距離の最大』は、2点間の距離そのもの。
- 最大は 直線 ⊥(2点を結ぶ線)のとき。
よくある間違い
- 距離を の式で最大化しようとして、 の処理が重くなり手が止まる。
- 縦の直線 の距離 を最大と早合点する( なので最大ではない)。
- 最大値が の長さそのものだと気づかず、直線を立ててから距離を出す遠回りでミスする。