数学II / 図形と方程式

点と動直線の距離の最大

★★★ 応用点と直線の距離

問題

定点 を通る直線 について、原点 から までの距離の最大値を求めよ。

ヒントを見る

距離が最大になる の向きを、図でいろいろ試してみよう。原点からの距離は、ある長さを絶対に超えられない — その壁の正体が答えになる。

解答・解説

方針

はいつも を通る。原点から への距離は、 に垂直なとき最大になり、その値は の長さに等しい。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 直線 はつねに を通り、向きだけが変わる。原点 から に下ろした垂線の足を とすると、距離は だ。

だから、 は直角三角形 の斜辺 より短い。つまり距離は を超えない。

等しくなるのは に重なるとき、すなわち に垂直なときだ。動く距離を固定線分 で上から抑える、これが発想だ。

重要定点 を通る直線と点 の距離の最大は (直線が に垂直なとき)

直線 はつねに を通る。原点 から に下ろした垂線の足を とすると、距離は

直角三角形 ()で は斜辺 より短い。等しくなるのは に重なるとき、つまり のとき。

よって最大値は の長さ。

xyOP(2,1)
ℓ⊥OP のとき距離が最大=OP

発展 — 一歩先へ。 のまわりで回るとき、垂線の足 はどこを動くか。つねに だから、 を直径とする円の上を動く(直径に立つ角は直角、というタレスの定理)。

この円の直径は 。だから から まで、すべての値をとる。 が原点を通るときは で距離 に垂直なときは で距離 が最大だ。

最大だけでなく最小 まで、 枚の円ですべて読める。「定点を通る直線と別の 点の距離は、 以上その 点間の距離以下」という一般の事実の、これは具体例だ。

別解

別解 — 距離を式にして最大を判別式で出す(得意な人向けの解析ルート)。 を通る直線を 、すなわち とおく。原点からの距離は

とおくと 、整理して 。この 次方程式が実数解をもつ条件は、判別式が 以上:

だから の最大は 、距離の最大は 。このとき すなわち で、 に垂直だ( の傾き との積が )。縦の直線 は距離 なので最大ではない。

幾何で を上限とする本解と同じ最大値 。距離の 乗が動ける範囲を判別式で押さえる見方だ。

ポイント

  • 『定点を通る直線と、ある点の距離の最大』は、2点間の距離そのもの。
  • 最大は 直線 ⊥(2点を結ぶ線)のとき。

よくある間違い

  • 距離を の式で最大化しようとして、 の処理が重くなり手が止まる。
  • 縦の直線 の距離 を最大と早合点する( なので最大ではない)。
  • 最大値が の長さそのものだと気づかず、直線を立ててから距離を出す遠回りでミスする。